2019/04

01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30
<< >>

勞働省の任務。内閣に勞働省を設け國家生産及ひ個人生産に雇傭さるる一切勞働者の權利を保護するを任務とす。勞働爭議は別に法律の定むる所によりて勞働省之を裁決す。此裁決は生産的各省個人生産者及び勞働者の一律に服從すべき者なり

註一

勞働者とは力役又は智能を以て公私の生産業に雇傭せらるる者を云ふ。從て軍人官吏教師等は勞働者に非ず。
例へば巡査が生活權利を主張する時は其所屬たる内務省が決定すべく、教師が増給運動をなす時は文部省が解決すべし。勞働省の與かる所に非ず。

註二

同盟罷工は工場閉鎖と共に此の立法に至るへき過程の階級鬪爭時代の一時的現象なり。永久的に認めらるべき勞働者の特權に非ざると共に、一躍此の改造組織を確定したる國家に取りては斷然禁止すべき者なり。
但し此の改造を行はずして而も徒らに同盟罷業を禁壓せんとするは、大多數國民の自衞權を蹂躙する重大なる暴虐なりとす。勞働貸銀。勞働賃銀は自由契約を原則とす。其爭議は前掲の法律の下に勞働省之を決定す。

註一

自由契約とせる所以は國民の自由を凡てに通せる原則として國家の干渉を背理と認むるに依る。眞理は一社會主義の專有に非ずして自由主義經濟學の理想に亦犯すべからざる者あり。

等しく勞働者と云ふも各人の能率に差等あり。特に將來日本領土内に居住し又は國民權を取得する者多き時、國家が一々の異民族につき其の能率と賃銀とに干渉し得べきに非ず。
現今に於ては資本制度の壓迫によりて勞働者は自由契約の名の下に全然自由を拘束せられたる賃銀契約をなしつつあり。而も改造後の勞働者は眞個其の自由を保持して些の損傷なかるべきは論なし。

註二

自由(則ち差別觀)を忘れて只觀念的平等に立脚したる時代の社會主義的理想家は國民に徴兵制の如く勞働強制を課せんと考へしことあり。人生は勞働のみによりて生くる者に非ず。
又個々人の天才は勞働の餘暇を以て發揮し得べき者にあらず。

何人が大經世家たるか大發明家大哲學者大藝術家たるかは、彼等の立案する如く社會が認めて勞働を免除すと云ふ事前に察知すべからずして悉く事後に認識せらるる者なればなり。社會主義の原理が實行時代に入れる今日となりては其れに附帶せる空想的糟粕は一切棄却すべし。勞働時間。勞働時間は一律に八時間制とし日曜祭日を休業して賃銀を支拂ふべし。
農業勞働者は農期繁忙中勞働時間の延長に應じて貸銀を加算すべし。

説明の要なし。但し餘の時間を以て修養に享樂に自由なる人權に基きて、家庭的勞働をなし又他の營業をなすは等しく個人の自由なり。
勞働者の利益配當。私人生産に雇傭せらるる勞働者は其の純益の二分の一を配當せらるべし。

此の配當は智能的勞働者及び力役的勞働者を總括したる者にして、各自の俸給賃銀に比例して分配す。勞働者は其の代表を選びて事業の經營計劃及び收支決算に干與す。農業勞働者と地主との間亦之れに同じ。國家的生産に雇傭せらるる勞働者は此の利益配當に代はるべき半期毎の給付を得べし。
事業の經營收支決算に干與する代りに衆議院を通じて國民として國家の全生産に發言すべし。

註一

勞働者は其の勞働を賣却する者なりとは舊派經濟學の誤説なり。企業家が其の企業的能力を其の資本たる機械鑛山土地等に加へて利益を計ると同じく、勞働者は其等の資本に勞働を加へて利益を計る者なり。
機械其者は人類の知識を結晶したる祖先の遺産たり、社會の共同的産物たり。

鑛山土地等其者は全く自然の存在にして其れを所有せしむる凡ての力は國家なり。而して是等の資本より利益を得んとして茲に各種の人力を要す。企業家は企業的能力を提供し勞働者は智能的力役的能力を提供す。勞働者の月給又は日給は企業家の年俸と等しく作業中の生活費のみ。一方の提供者には生活費のみを與へて其の提供のために生れたる利益を與へず他方の提供者のみ生活費の外に凡ての利益を專有すべしとは、其の不合理にして無智なること殆ど下等動物の社會組織と云ふの外なし。
勞働者が經營計劃に參與するの權は此の一方の提供者としてなり。

註二

國家生産の勞働者に利益配當を用ひざる所以は、國家は全生産の永遠的經營を本旨とするが故に、全國家の生産的活動の爲に或省には殊更に投賣を行はしめて損失を顧みざることある如く、或る省を犧牲として或省の對外競爭を專らならしむることもあるべきを以てなり。
斯る場合に於て各別に利益配當をなす時は非常なる不公平を生じ甲省の勞働者の利益配當を奪ひて乙省の其れに與ふるが如きを生ずべし。
從て又生産方針に干與するの權は國家全局の生産成績を達觀し得べき衆議院に於てせざるべからざる所以となる。勞働的株主制の立法。私人生産業中株式組織の事業は其れに雇傭さるる肉體的精神的勞働者をして、自ら其の株主たり得る權利を設定すべし。

註一

是れ自己の勞働と自己の資本とが不可分的に活動する者なり。事業に對する分擔者としての當然なる權利に基きて制定さるべし。別個生産能率をも思考すべし。

註二

私人生産業限度内の事業に於て將來半世紀一世紀間は現代の如き腐敗破綻を來す怖ある者と推定すべし。從て、勞働的株主を併存せしむることは内容的根本的に常に該事業を健確に支持すべし。

註三

勞働的株券の發言權は勞働爭議を株主會議内に於て決定し、一切の社會的不安なからしむべし。
借地農業者の擁護。私有地限度内の小地主に對して土地を借耕する小作人を擁護する爲めに、國家は別個國民人權の基本に立てる法律を制定すべし。

註一

限度以上の土地を分有せしむる大本は別に存せり。而も小地主對小作人の間を規定して一切の横暴脅威を拔除すべき細則を要す。

註二

一切の地主なからしめんと叫ぶ前世紀の舊革命論を、私有限度内の小地主對小作人の間に巣はしむ可からず。
舊社會の惰勢を存せしむる凡ての處に、舊世紀の革命論は繁殖すべし。幼年勞働の禁止。滿十六歳以下の幼年勞働を禁止す。之に違反して雇傭したる者は重大なる罰金又は體刑に處す。尊族保護の下に尊族の家庭に於て勞働する者は此限りに非ず。

國民人權の上より説明を要せず。滿十六歳以下とせるは下掲の國民教育期間なるを以てなり。體刑を課する所以は國家の兒童を保護するに最も嚴勵なるべきを以てなり。實に國家の生産的利益の方面より見るも、幼童にして殘賊するよりも其の天賦を完全に啓發すべき教育を施したる後の勞働が幾百倍の利益なるは論なし。
四海同胞の天道を世界に宣布せんとする者が、自らの國家内に於ける幼少なる同胞を酷使して何の國民道徳ぞ。婦人勞働。婦人の勞働は男子と共に自由にして平等なり。但し改造後の大方針として國家は終に婦人に勞働を負荷せしめざる國是を決定して施設すべし。
國家非常の際に處し婦人が男子の勞働に代はり得べき爲に男子と平等なる國民教育を受けしむ。(「國民の生活權利」參照)。

註一

現時の農業發達の程度に於ては婦人を炎天に晒らして其の美を破り、又は貧困者多き近き將來に於ては婦人を工場に驅使して其の樂を奪ふことも止むを得ざる人間生活なり。然しながら大多數婦人の使命は國民の母たることなり。
妻として男子を助くる家政勞働の外に、母として保姆の勞働をなし、小學教師に劣らざる教育的勞働をなしつつある者は婦人なり。婦人は已に男子の能はざる分科的勞働を十二分に負荷して生れたる者。是等の使命的勞働を廢せしめて全く天性に合せざる勞働を課するは、啻に婦人其者を殘賊するのみならず、直に其の夫を殘賊し其子女を殘賊する者なり。
此の改造によりて男子の勞働者の利得が優に妻子の生活を保證するに至らば、良妻賢母主義の國民思想によりて婦人勞働者は漸次的に勞働界を去るべし。

註二

此の點は女子參政權問題に於けるが如く、日本と歐米とが全然發達の傾向を異にし來り且つ異にすべき將來を示す者なり。
日本婦人の人格は歐米の如く男子の職業を爭ひて認めらるべき將來を假想するの要なし。國家組織が下掲の如く母として又妻としての婦人の生活を保證し、婦人が男子と平等の國民教育を受くるならば、其の妻としての勞働母としての勞働が人格的尊敬を以て認識せらるるは論なし。

註三

婦人は家庭の光にして人生の花なり。婦人が妻たり母たる勞働のみとならば、夫たる勞働者の品性を向上せしめ、次代の國民たる子女を益々優秀ならしめ、各家庭の集合たる國家は百花爛漫春光駘蕩たるべし。
特に社會的婦人の天地として、音樂美術文藝教育學術等の廣漠たる未墾地あり。此の原野は六千年間婦人に耕やし播かれずして殘れり。婦人が男子と等しき牛馬の勞働に服すべき者ならば天は彼の心身を優美纎弱に作らず。


兒童の權利。滿十五歳未滿の父母又は父なき兒童は、國家の兒童たる權利に於て、一律に國家の養育及び教育を受くべし。國家は其の費用を兒童の保護者を經て給付す。父生存して而も父に遺棄せられたる兒童亦同じ。但し此の場合に於て國家は別途其の父に對して賠償を命じ、從はざるものは勞働を課して賠償に充てしむ。父母の遺産を相續せる兒童、又は母の資産或は特種能力に於て教養せられ得る兒童は、國家と協議の上此の權利を放棄せしめらるべし。

註一

人の居常且つ終生の憂惧は子女の安全なる生長にあり。封建時代の武士が凡て後顧の憂なきがために其の道義的奮進又は犧牲的冒險を敢行し得たる如く、國民は其の子女の國家的保障のため戰場に於ても平和の其れに於ても何等後顧の憂なし。
其の兒童の權利として兒童其者を權利主體とせるは、父母の如何に係らず、第二の國民たる點に於て國民的人權を有するを以てなり。

註二

父なき兒童が孤兒と同一なる權利を有する所以は、婦人は男子たる父と同一なる勞働を爲す能はざる原則に基く。
慈悲深き賢母を勞働の苦役に驅り貞節なる良妻を賣淫の汚濁に投ずるは、夫たり子女たる國民の忍ぶ能はざる所。國家は夫と子女と婦人其者との爲に其の義務を完うせざる可らず。但し母其人の生活は母自身の維持すべきものとす。

註三

父生存して遺棄せられたる兒童亦同じきは凡て此の理由に依る。結婚と單なる情交とを差別せず。
而して賠償を別途に命じて同居を父に強ひざる所以は、遺棄したる事情が背徳にせよ又は積極的活動の爲にせよ干渉すべからざる別事なればなり。

註四

父母共になき兒童を孤兒院に收容せざる所以は、孤兒院の弊害甚だしきと、兒童の保護者として血族長者の保護に優る者なきを以てなり。
全然保護者なき孤兒は國家の收容すべきは論なし。

註五

以上兒童の權利は自ら同時に母性保護となる。國家扶養の義務。貧困にして實男子又養男子なき六十歳以上の男女、及び父又は男子なくして貧困且つ勞働に堪へざる不具廢疾は國家之れが扶養の義務を負ふ。

註一

實男子又は養男子として婦人に扶養の義務を負荷せしめざる所以は、婦人は自己一人以上を生活せしむる勞働力なき原則に依る。
且つ其の女が他家に嫁して餘力ある者と雖も、其老親の扶養を夫の資産勞働に依頼せしむることは、父母の屈從不安を招き更に婦人をして夫の前に其の人格的尊重を傷くるに至らしむ。則ち婦人に老親を負擔せしめざるは日本古來の不文律にして同時に婦人々權の擁護なり。

註二

實男子又は養男子に貧困なる老親を扶養せしむるは歐米の贋的個人主義と雲泥の差ある者。彼の「ろいどぢよーぢ」氏の試みたる養老年金法案の如きは、國民の大部分が扶養すべき男子を有するが故に、
日本に於ては茲に掲ぐる例外的不幸を除きて無用なる立法なりとす。

註三

不具廢疾者を其の兄弟遠族又は慈善家の冷遇に委するは不幸なる者に虐待を加ふると同じ。其の母又は女子に負荷せしめざる所以は、
愛情ありと雖も扶養能力なきが故に、結局其の兄弟又は娘の夫の負擔となりて立法の精神を殺す者となるを以てなり。

註四

兵役義務の爲めに不具廢疾となれる者の國家扶養の義務は別に法律を以て其の扶養を完うすべし。固より別個の問題なり。國民教育の權利。
國民教育の期間を、滿六歳より滿十六歳までの十?年間とし、男女を同一に教育す。學制を根本的に改革して、十年間を一貫せしめ、日本精華に基く世界的常識を養成し、國民個々の心身を充實具足せしめて、各其の天賦を發揮し得べき基本を作る。

英語を廢して國際語(えすぺらんと)を課し第二國語とす。女子の形式的又特殊的課目を廢止し小學、高等小學、中學校に重複するものを廢して一貫の順序を正しくす。體育は男女一律に丹田の鍛治より結果する心身の充賓具足に一變す。
從て從來の機械的直譯的運動及兵式訓練を廢止すべし。男女の遊戲は撃劍柔道大弓薙刀鎖鎌等を個人的又は團體的に興味付けたる者とし從來の直譯的遊戲を廢止す。此の國民教育は國民の權利として受くる者なるを以て無月謝教科書給付中食の學校支辨を方針とす。

男生徒に無用なる服裝の劃一を強制せず。校舍は其前期を各町村に存する小學校舍とし、後期を高等小學校舍とし、一切物質的設備に浪費せず。

註一

男女共中學程度終業を以て國民たる常道常識を教育せらるる者。漸く文字を解し得るか得ざるかの小學程度を以て國民教育の終了とするは國民個々の不具と國家の薄弱を來す者なり。之れ教育すべき國家の窮乏せると、教育せらるべき國民に餘裕なかりしを以てなり。
一貫したる十年間の教育は、其の終了と同時に完全具足したる男女たるべく、更に其の基本を以て各其の使命的啓發に向つて進むを得べし。

註二

女子を男子と同一に教育する所以は、國民教育が常識教育にして或る分科的專攻を許すべき年齡に非ると共に、滿十六歳までの女子は男子と差別すべき必要も理由もなきを以てなり。從て女學校特有の形式的課目女禮式茶湯生花の如き又女子の專科とせる裁縫料理育兒等の特殊課目は全然廢止すべきものとなる。
前者を強制するは無用にして有害なり。

後者は各家庭に於て父母の助手として自ら修得すべし。女子に禮式作用が必須課目ならば男子にも男子の其れが然るべく、茶の湯生花が然るならば男子に謠曲を課せざれば不可。車夫の娘に「びふてき」の燒方を教授し外交官の妹に袴の裁方を説明し、月經なき少女に育兒を講義する如き、今の女子教育の凡ては亂暴愚劣眞に百鬼夜行の態なり。
學校は凡てに非ず。各人の欲する所に隨ひ各家の生活事情に應じて學ぶへき幾多の者を有す。

註三

一切に亙りて英語を廢する所以。英語は國民教育として必要にも非ず、又義務にも非らず。現代日本の進歩に於て英語國民が世界的知識の供給者にあらず。
又日本は英語を強制せらるる英領印度人に非らず。英語が日本人の思想に與へつつある害毒は英國人が支那人を亡國民たらしめたる阿片輸入と同じ。

只英語ほど普及せずして而も英語思想以上に影響を與へたる獨乙語に依りて其の害毒の緩和せられたる天裕を有するのみ。英語國民の淺薄なる思想を通じて空洞なる會堂建築として輸入されたる基督教。人格權の歴史的覺醒たる民主々義が哲學的根據を缺如したる民本主義となりて輸入されつつある「でもくらしー」。英米人の持續せんとする國際的特權のために宣傳されつつある平和主義非軍國主義が、其の特權を打破せんが爲めに存する日本の軍備及び戰鬪的精神に對する非難として輸入されつつある内容皆無の文化運動。

單に是等をのみ視るも一利に對して千百害あること阿片輸入の支那を思はしむ。言語は直ちに思想となり思想は直ちに支配となる。一英語の能否を以て浮薄輕佻なる知識階級なる者を作り、店頭に書册に談話に其の單語を捜入して得々恬々として恥無き國民に何の自主的人格あらんや。
國民教育に於て英語を全廢すべきは勿論、特殊の必要なる專攻者を除きて全國より英語を驅逐することは、國家改造が國民精神の復活的躍動たる根本義に於て特に急務なりとす。

註四

國際語を第二國語として採用する所以。而しながら實に他の歐釆諸國に見ざる國字改良漢字廢止言文一致羅馬字採用等の議論百出に見る如く、國民全部の大苦惱は日本の言語文字の甚だしく劣惡なることにあり。
其の最も急進的なる羅馬字採用を決行するとき、幾分文字の不便は免るべきも言語の組織其者が思想の配列表現に於て悉く心理的法則に背反せることは、英語を譯し漢文を讀むに凡て日本文が顛倒して配列せられたるを發見すべし。

國語問題は文字又は單語のみの問題に非ずして言語の組織根底よりの革命ならざるべからず。而して不幸なる幸は中學教育に英語を課し來れる慣習の爲に、其の程度の教育者も被教育者も、何等かの言語を習得すべきことを必須的に確信せることなり。國際語の合理的組織と簡明正確と短日月の修得とは世人の知る如し。
成年者が三月又は半年にて足る國際語の修得が、中學程度の兒童一二年にして完成すべきことは、英語が五年間沒頭して尚何の實用に應ずる完成を得ざる比にあらず。兒童は國際語を以て國民教育期間中に世界的常識を得べし。

而して歐米の革命的團體は大戰の遙に以前此れを以て國際語とせんと決議せし程の者。
最も不便なる國語に苦しむ日本は其の苦痛を迯るるために先づ第二國語として並用する時、自然淘汰の理法によりて五十年の後には國民全部が自ら國際語を第一國語として使用するに至るべし。從て今日の日本語は特殊の研究者に取りて焚語「らてん」語の取扱を受くべし。

註五

國際語の採用が特に當面に切迫せる必要ありと云ふ積極的理由。下掲國家の權利に説く如く、日本は最も近き將來に於て極東西比利亞濠洲等を其の主權下に置くとき、現在の歐米各國語を有する者の外に新たに印度人支那人朝鮮人の移住を迎ふるが故に、
殆ど世界凡ての言語を我が新領土内に雜用せしめざるべからず。此に對して朝鮮に日本語を強制したる如く我自ら不便に苦しむ國語を比較的好良なる國語を有する歐人に強制する能はず。印度人支那人の國語亦決して日本語より劣惡なりと云ふ能はず。

此の難問題は實に三五年の將來に迫れる者なり。主權國民が西比利亞に於て露語を語り濠洲に於て英語を語る顛倒事をなす能はざるならば、日本領土内に一律なる公語を決定し彼等が日本人と語るときの彼等の公語たらしめざるべからず。劣惡なる者が亡びて優秀なる者が殘存する自然淘汰律は日本語と國際語の存亡を決する如く、百年を出でずして日本領土内の歐洲各國語、支那、印度、朝鮮語は亦當然に國際語のために亡ぶべし。
言語の統一なくして大領土を有することは只瓦解に至るまでの槿花一朝の榮のみ。

註六

體育を丹田本位と決定する所以は、只肉體の一面のみを見るも根本的體育たるを以てなり。已に日本の各方面に先覺者の簇出して實證を示しつつある所なり。是等に示さるる如く印度に起りたる亞細亞文明は世界より封鎖せられたる日本を選びて天の保存したる者。
單に手足を動かし器具に依頼し散歩遠足を以て肉體の強健を求むる直譯的體育は實に根本を忘れて枝葉に走りたる彼等の惡模倣なり。時に女子をして優美纎麗のままに發達したる強健を得せしむるには丹田の根本を整ふる以外一の途なし。變性男子の如き醜き手足を作りて而も健康の根本を培はざる直譯體操は特に嚴禁を要す。

註七

兵式體操を廢止する所以は、其形式亦實に丹田の充實を忘れたる外形的整頓に捉はれたるに依るも一理由なり。且つ下掲の如く日本國民は永久に兵役の義務を有し、且つ一年志願兵特權は此等の訓練あるを一理由となすを以て其れをも廢止するが故に、兵役に於てすべきことは凡て兵營に於てすべし。
更に他の一理由は日本の將來は陸上にあると同一以上の程度に於て海上に在るが故に、國民教育に於て只陸軍的模倣をなさしめて海兵的訓育を閑却することの矛盾なるを以てなり。國民教育の要は根本の具足充實に在り。丹田本位の心身を鍛冶し十年間一貫の常識教育を施さば以て海兵に用ふべく以て陸兵に用ふべし。兵の素質に於て二等卒も今の少尉級に劣らず。

註八

單純なる遊戲として男子が撃劍柔道に遊び女子が長刀鎖鎌を戲るるは其興味に於て「べーすぼーる」「ふーとぼーる」等と雲泥の相違あり。精神的價値等を擧げて遊戲の本旨を傷くべからず。こは生徒の自由に一任すべし。現今の武器の前に立ちて此等に尚武的價値を求むるに及ばず。
日本人の一般生活に沒交渉なる直譯的遊戲を課するの滑稽さは床柱を背にして小猿の如く跪坐する洋服姿と同じ。

註九

國民教育の兒童に對して無月謝教科書給付中食の學校支辨とする所以は、國家が國家の兒童に對する父母としての日常義務を果すものなり。現今の中學程度に於ける月謝と教科書とは一般國民に對する門戸閉鎖なり。無月謝より生ずる負擔は各市町村此れを負ふべく、教科書は國庫の經費を以て全國の學校に配布すべし。中食の學校支辨の理由は第一に登校兒童のために毎朝母を勞苦せしめざることなり。

第二の理由は其の中食に一塊の「ぱん」薩摩芋麥の握飯等の簡單なる粗食をなさしめ、以て滋養價値等を云々して眞の生活を悟得せざる科學的迷信を打破するにあり。第三の理由は幼童の純白なる頭腦に口腹の欲に過ぎざる物質的差等を以て一切を高下せんとする現代までの惡徳を印象せしめざるに在り。
學校としては簡單なる事務にして、若し兒童の家庭の惡感化によりて食事を肯んぜざる者あらば教師の權威を以て其の保護者を召喚訓責すべし。

註一

〇。今の中學程度の男生徒に制服として靴洋服を強制することは實に門戸閉鎖の有力なる一理由なり。其不合理なること恰も現時の歐米に「きもの」服が普及したるを以て其れを室内の制服として強制せんと云ふと一般なり。和服の不便なる裁方なりと云ふは別問題なり。
居常の衣服を登校に用ゆるを得ざる大々的不便を其の父母の經濟に課して何の便不便ぞ。實に今の日本教育の凡ては教育に非らずして唯外形の摸倣なりとす。

註一

一。校舍に巨費を投ずるは亦最惡なる直譯的模倣なり。此の國民教育の根本的革命は戒嚴令施行中より實施すべき者なるを以て、現時の校舍を直ちに使用すべきことを明示したり。
器械的科目たる理化學に於ても今の中學校程度に於て別個の教室を設備する如き摸倣的浪費の一。

註一

二。以上の國民教育の説明によりて大學及び大學豫備校の方針、又其れが生徒の自費たること等は推想し得べし。而して不用なるべき各地の中學女學校舍は或は此れを取り毀ち、又は大學豫備校の校舍又は單科大學の校舍となすを得。婦人々權の擁護。
其の夫又は其子が自己の勞働を重視して婦人の分科的勞働を侮蔑する言動は之れを婦人々權の蹂躙と認む。婦人は之れを告訴して其の權利を保護せらるる法律を得べし。有婦の男子にして蓄妾又は其の他の婦人と姦したる者は婦の訴によりて婦人の姦通罪を課罰す。
賣淫婦の罰則を廢止し其れを買ふ有婦の男子は之を拘留し又は罰金に處す。

註一

現行法律に於ける離姻の理由たる虐待云々の意味に非ず。且つ此の訴は必ずしも離姻を目的とせず、實に婦人が男子の勞働に衣食するかの誤解ありて、男子の勞働が其實却つて婦人の分科的勞働の助力あるが故に行はるるを忘却する横暴なる行爲を禁じ、特に法律を以て婦人の人權を擁護する者なり。
若し此の立法が男子の道念によりて行はれざるならば忌むべき婦人勞働となり婦人參政權運動となるべし。

註二

男子の姦通罪を罰することは第一に一夫一婦たる國民道徳の大本を明かにするがためなり。國家の興廢は悉く男女の大本の清濁に在り。
現時の歐洲諸國に「のあ」の洪水が來れる所以を考へ、同胞殘害して地獄を現世に示しつゝある露西亞を考へよ。如何に早く已に此の大本が腐爛し盡したるかを見ん。日本國民が全亞細亞の盟主たる大使命あるならば、人倫の大本を嚴守勵行する立法は實に一日を忘るべからず。第二の理由は國家が國家の兒童に對して大父母たる立場に於て其の生みの父母は單なる保姆の任を負ふものなり。
保姆の一方が殘虐なる苦痛を他の一方に加へて横暴と悲慘とを居常見聞せしめらるる兒童の惡感化に對して、國家は大父母の權利に於て殘虐なる一方を處罰すべし。第三の理由は婦人々權の擁護なり。

註三

此の一夫一婦制の勵行は彼の自由戀愛論の直譯革命家と人生の理解を根本より異にせるものなり。彼れに從へば男子の姦通罪を罰する法律の代りに女子の姦通罪を罰する現行法律を廢止せば足れりと云ふべし。自由戀愛論の價値は戀愛の自由を拘束する現代の政治的經濟的宗教的阻害者を打破せんとする點にあり。
之れを途方もなき一夫一婦制に對する反逆と考ふるは、恰も政治的特權者に向つて叫ばれたる政治の自由を平等なる國民間に脱線せしめて、相犯さざる各自の自由を蹂躙することも等しく政治の自由なりと云ふ低能者の昏迷なり。國民平等の自由が特權に非る如く、一夫一婦制は何等の特權に非ず。
自由は自由の侵害者を拘束せざるべからず。一夫一婦制は妻の戀愛を自由ならしめんが爲めに夫の濫用せんとする戀愛の自由を拘束せんとするなり。彼等の昏迷せる自由の解釋は、自由を以て放火の自由殺人の自由も自由なりと結論せしむるものなり。凡ての自由が社會と個人其人の利益の爲めに制限さるる如く、戀愛の自由亦國民道徳と其の保護者との爲めに制限せらるるは論なし。この一夫一婦制は理想的自由戀愛論の徹底したる境地なり。但し今は之を説くの時期到來せず。

註四

現行法律が買淫婦人をのみ罰して買淫男子を罰せざるは姦通罪が婦人をのみ罰して男子に及ばざると等しき片務的横暴なり。貞操の賣買は此の改造組織の後に於ては漸次消滅すべきことを信ずと共に、暫くの近き將來に存在すべき其等に對して、國家は兩者共に法律を以て臨まざる方針を取るべし。
但し有婦の男子が淫を買ふは明かに一夫一婦の大本を紊る者なるを以て別個の意味に於て加罰する者なり。拘留罰金を以てせるは婦の訴なき場合に於て姦通罪を檢擧せざる原則に依る。
斯くして輕き國家の制裁を受くることによりて、男子は家族に對する權威を失し交友に於ける信用を損する重大なる苦痛を受くるを以て自ら身を愼み亦以て婦人々權の擁護となり、全家族生括の保障を加ふることとなるべし。

註五

獨身の男子を除外せるは決して其性慾を正義化する所以に非ず。婦人が純潔を維持する如く男子が其の童貞を完うして結婚することは双方の道義的責務なり。
其の之れを罰せざる理由は、未婚婦人が純潔を破るも法律の干與せざると等しく道徳的制裁の範圍に屬するを以てなり。
國民人權の擁護。日本國民は平等自由の國民たる人權を保障せらる。若し此の人權を侵害する各種の官吏は別に法律の定むる所によりて半年以上三年以下の體刑を課すべし。未決監にある刑事被告の人權を損傷せざる制度を定むべし。又被告は辯護士の外に自己を證明し辯護し得べき知己友人其他を瓣護人たらしむべき完全の人權を有すべし。

註一

人權を蹂躙して却て得々たること我國の官吏の如きは少なし。此れ歐米諸國より一歩を先んぜんとする國民的覺醒を裏切る大汚濁なり。
體刑と明示せる所以は其の弊風實に體刑を以てせずんば一掃する能はざる官吏横暴國なるを以てなり。此の戰慄より來る反省改過は鏡に掛けて見るが如し。

註二

未決監にある被告を豫備囚徒として待遇しつつあることは純然たる封建の遺風なり。之を反對に無罪なる者と假定するとき現時の如き凌辱なし。
警察亦然り。要するに有罪を假定するが故に未決期の日數を刑期に加算する等のことあるにて明かなり。此の根本にして明白ならば未決監中の人權蹂躙は自らにして跡を絶つべし。

註三

被告人は罪人に非ず從て辯護人の自由を無視又は制限さるる理由なし。特に職業辯護人と限らるるが爲めに被告の平常事件の眞相に通ずる者を以て直接に法官と對せしむる能はず。
爲めに事件の鑑察、法の適用に於て遺憾多く、被告の不利及び延いて法官の判斷を誤り法の威嚴を損傷する甚しき現状なり。

註四

社會主義者の或者の如く一切の犯罪なき理想郷を改造後の翌日より期待するは空想なり。固より現今の政治的經濟的組織より生ずる犯罪の大多數は直ちに跡を絶つべきは論なし。國家の改造とは其の物質的生活の外包的部分なり。終局は國民精神の神的革命ならざるべからず。
十年一貫の國民教育が改造の根本的内容的部分なり。勳功者の權利。國家に對し又は世界に對して勳功ある者は、戰爭政治學術發明生産藝術を差別せず、一律に勳位を受け、審議院議員の互選資格を得、著しく増額せられたる年金を給付せらるべし。婦人亦同一なるは論なし。但し政治に干與せざる原則によりて審議院議員の互選資格を除く。

註一

國民は平等なると共に自由なり。自由とは則ち差別の義なり。國民が平等に國家的保障を得ることは益々國民の自由を伸張して其の差別的能力を發揮せしむる者なり。
彼の者と考ふるが上院制を否む革命的思想家は、人類の進化程度を過上に評價せる神學者的要求に發足する者なりと見るべし。

註二

勳功に伴ふ年金が現時の如き消極的の小額なるは不可なり。凡ての光榮は其れを維持すべき物質的條件を缺くべからず。私有財産の權利。
限度以下の私有財産は國家又は他の國民の犯すべからざる國民の權利なり。國家は將來益々國民の大多數をして數十萬數萬の私有財産を有せしむることを國策の基本とするものなり。

註一

社會主義共産主義を誤解して其の私有財産を分與するものなるかの如く考へ、又は國民の凡てに其日暮し其年碁しの生活をなさしむる者と考ふるが如きは、現實的改造の要求せられつつある現代社會革命説の躍進的進歩を解せざる者なり。
從て此の改造後の國民にして如何なる思想に導かるるにせよ、國民の財産權を犯す者は、人類社會の存する限り存すべき法律の原則によりて、強窃盜として罰せられ又は乞食として待遇せらるるは論なし。

註二

年々多大の收益ありて近く私産限度を超過すべく而して超過額を國家に納付するを欲せざる目的を以て、限度以下の時に於て、自己自身の欲望に從ひて消費せんとするは亦國民の權利なり。此の權利は國家の保障する所有權の行使にして其の消費が道徳的なると酒色遊蕩なるとを問ふの要なし。

人は各々其人を中心又は分子としたる小社會を國家内に有し或者は國境を超越したる大社會の中心又は分子たり。從て其の消費せる所を收得する者は國家の手を經由せざる國民なり。私産限度制は國家と國民を害せざる程度の富の限度を定むる者のみ。之を誤解して限度超過額の上納を促す者とし又は國民の獨自放膽なる消費を拘束する者と考ふべからず。
平等分配の遺産相續制。特定の意志を表示せざる限り、父の遺産は其の子女に平等なる分配を以て相續せらる。父の妻たる其の母亦同じ。母の遺産は夫たる父に於て凡て相續せらるべし。

註一

遺産相續の正義を規定するに見るも、合理的改造案が必ず近代的個人主義の要求を一基調とすることを知るべし。

註二

現代日本にのみ存する長子相續制は家長的中世期の腐屍のみ。父母の愛の百千分の一に足らざる長子の愛情利害に一切弟妹の運命を盲從せしむるは沒人情の極。
本然の人情其者が凡ての法律道徳の根源なるを忘るべからず。

註三

遺産相續に際して國家が課税の理由なきことは、相續者則非相續者の肉體的延長なるを以てなり。


朝鮮の郡縣制。朝鮮を日本内地と同一なる行政法の下に置く。朝鮮は日本の屬邦に非ず又日本人の植民地に非ず。日韓合併の本旨に照して日本帝國の一部たり一行政區たる大本を明らかにす。

註一

朝鮮をして日本の愛蘭土たらしむる如きことあらば、將來大羅馬帝國を築かんとする日本は全然其の能力なきことを第一歩に於て立證するものなり。由來朝鮮人と日本人とは米國内の白人と黒人との如き人種的差別ある者に非ず。單に一人種中最も近き民族に過ぎざるなり。從て過般の暴動と米國市中の黒白人爭鬪とを比較するとき其の恥辱の程度に於て日本は幾百倍を感ぜざるべからず。
朝鮮問題は同人種間の問題なるが故に所謂人種差別撤廢問題の中に入らず。只一に統治國たる日本其者の能力問題たり、責任問題たり、道義問題たりとす。

註二

朝鮮人が異民族たる點は其の言語と風俗との一部なり。國民生活の根本たる思想に於ては有史以來日本の文明交渉が朝鮮を經由したるによりて明なる如く全然同一系統に屬する者なり。
而して現在吾人の血液が如何に多量に朝鮮人の其れを混じたるかは人類學上日本民族は朝鮮支那南洋及び土着人の化學的結晶なりとせらるるにても明白なり。

特に純潔の朝鮮人の血液を多量に引ける者は彼と文明交渉の密接せし王朝時代の貴族に多く、現に公卿華族と稱せらるる人々の面貌多く朝鮮人に似たるは凡て其の類型を現すものなり。
既に王朝貴族に朝鮮人の血液が多量なりと云ふことは、實に其の貴族の血液が皇室に入り得べき特權階級たりし點に於て、日本の元首其者が朝鮮人と沒交渉に非ずと云ふことなり。
敢て今次の朝鮮太子と日本皇女との結合を以て日鮮の融合が試みらるるにあらず。是れ決して人種問題の範圍に非ず。

註三

要するに凡ての原因は朝鮮が日本支那露西亞の三大國に介在して自立する能はざりし地理的約束と、其の道義的廢頽より一切の政治産業學術思想の腐敗萎微を來して内外相應じて亡びたるものなり。
朝鮮其者の歴史が示す如く、又清國が此れを屬國とせんが爲に起りたる日清戰爭、及び滿洲に來たれる露西亞が其を侵略せんとせしがために破れたる日露戰爭に示す如く、其の亡國たるべき内外呼應の原因は統治者が日本たらざる時は露支兩國の焉れかなりしは明白なり。

日本の國防に取りて彼が日本の脅威たる強國の領有又は同盟者たる危機は、恰も英國に取りて自耳義が獨乙の領土たり同盟國たる其れと同じき存亡問題なり。今次の大戰に於て若し白耳義が獨乙と握手し而して英國の軍隊が其れを撃破して自耳義に滯陣せしとせよ。彼は講和會議に於て其の獨立を承認せざるのみならず明に其の領有を主張すべきは論なし。朝鮮の亡國的腐敗は悉く事大的國是となりて現はれ、日清戰爭に於ては清國に從ひ、日露戰爭に於ては露西亞を迎へ、聊かも英國と自耳義の結托に似たる者なかりしは開戰原因を顧れば明白なり。此の間に於て彼の革命黨のみは大局を達觀し日本と結びて獨立を企劃して勞苦止まざりしと雖も、終に日露開戰に至る迄國政を把りて志を行ふ能はざりき。而して戰爭中日本の朝鮮に於ける立場は英國の自耳義に於ける如くならず、朝鮮全部を掩有するに實力を以てしたり。

國内の革命黨は依然として志を得ず、露國又依然として強大を維持し講和條約は單なる休戰條約として調印せられたり。自立し能はざる地理的約束と眞個契盟する能はざる亡國的腐敗の爲に、日本は露國の復讐戰に對する自衞的必要に基きて獨立擁護の誓明を取消したる事が眞相なり。
是れ侵略主義に非ず、又謂ふ所の軍國主義に非ず。朝鮮を領有する結果より見て、恰も百萬圓を貯蓄したる結果より見て、其れが高利貸によると忠實なる勞働によるとを考査せずして等しく守錢奴と詈り侵略者と誣ゆるは昏迷者の狂言なり、重大なる罪惡なり。朝鮮の亡國史を知り露國の脅威に戰慄したる危機を顧るならば、愛蘭土獨立問題を朝鮮に直譯して論及するの理なし。
空疎守舊の學説と薄弱なる意志と衆愚の喝采を足れりとする虚榮と、實に通俗政治家の標本たる「うゐるそん」輩の通辯に得々たりし所謂學者なる者の反省を要す。

註四

故に日本存立の國防上より朝鮮は永久に獨立を考ふべき者に非ず。露西亞の脅威が「つあーる」の亡びたるを以て去れりと考ふる如きは齒牙に足らざる淺慮。「つあーる」が侵略し來れると「れにん」が幾多の謬妄を附帶せる社會革命説を奉じて殺到し來るべきと、日本が國防上朝鮮に據りて戰ふことは國家の國際的權利なり。
特に露西亞の脅威は過渡時代の「れにん」に非ずして「れにん」無き後眞に再建せらるべき十年後の將來に存す。漸く中世史の革命を學びつつある未開後進なる彼に對するには現代的再建を想像するよりも、反動の襲來又は眞乎の建國者によりて「ぴーたー」大帝の再現をも打算外に置く能はず。

註五

此の國防上朝鮮を獨立せしめずと云ふことは、英人が印度を獨立せしめず又亞佛利加植民地を獨立せしめずと云ふこととは全く別事なり。
印度が英國の屬邦たり英領亞佛利加が植民地たるに對して、朝鮮は日本の屬邦に非ず又植民地に非ずと明示せし所以なり。
印度又は亞佛利加の住民が全然英人と人種を異にせるに對して、日鮮人は古來の混血融合のみならず同一人種中の最も近き異民族なる點に於て屬邦たるべからず又植民地たるべからず。朝鮮は日本の一部たること北海道と等しく正に「西海道」たるべし。日本皇室と朝鮮王室との結合は實に日鮮人の終に一民族たるべき大本を具體化したる者にして、泣く/\匈奴に皇女を降嫁せしめたる政略的の者に非ず。
實に現時の對鮮策なるものは甚だしく英國の植民政策を摸倣したるが故に、根本精神よりして日韓合併の天道に反するものなり。朝鮮が日本の西海道なる所以を明にするとき百般の施設悉く日鮮人の融合統一を來さざる者なく、獨立問題の如き希ふと雖も生起せざるは論なし。

註六

「こるしか」島民の大皇帝は「こるしか」獨立の戰陣に孚まれ獨立の憤を抱きて敵國の士官學校に學べり。
而も革命佛蘭西が「こるしか」を佛蘭西の本國と平等ならしめ「こるしか」島民を佛蘭西人の自由に開放するや、獨立黨の青年士官は佛蘭西に對する愛國心を「えるば」島に葬るまで變ぜざりき。日本海を庭池として南北滿州と極東西比利亞とに革命大帝國を建つる時、朝鮮は特に其の心臟肺肝の重きをなさんとす。日本々國の一部としての平等、日本人としての自由を對鮮策の眼目となす。
朝鮮人の參政權。約二十年後を期し朝鮮人に日本人と同一なる參政權を得せしむ。此の準備の爲めに約十年後より地方自治制を實施して參政權の運用に慣習せしむ。

註一

是れ流行の所謂民族自決主義に非るは論なし。
朝鮮が日本の西海道たり朝鮮人が日本人と大差なき民族たる理由によりて、日本國民たる國民權を最初に且つ完全に賦與せらるるを明かにする者なり。

註二

奈翁の世界統一主義に對して起れる民族主義が近世史の一大潮流なりしは言ふの要なし。只之れが彼の暗味なる「うゐるそん」の口より民族自決主義と呼ばるるに至りて空想化し滑稽化したるなり。自決とは抑々何ぞや。
或る民族が其の國家組織を失ふ所以は外部的壓迫と内部的廢頽とによりて自決する力を缺けるがためなり。覺醒せる民族が内部的興奮によりて外部的壓迫を排斥せんとする時、是れ無用なる自決の文字を加へざる傳來の民族主義なり。

幾多の民族の中に於て自決するを得る覺醒的民族と然らざる者とあるは、恰も等しき人間の中に於て自決する能はざる八十歳の老婆あり十歳の少女あるが如し。民族主義の本旨は人道主義と云ふが如き合理的命題なり。是れを民族自決主義と名くるに至りては人道主義の命題に代ふるに人間自決主義と云ふが如き笑倒の沙汰。
老幼男女を論ぜず各人の人格を認識する人道主義を滑稽化して八十歳の老婆にも生活を自決せしむべく十歳の少女にも戀愛を自決せしむ可しと云はば如何。或る民族は老婆の如く或る民族は少女の如し。此の國際間に於ける民族の老幼をも壓迫し虐遇せざるべき人道主義が則ち民族主義の終局理想たるべき者なり。

現時の強國中各種老幼の民族を包有せざる者なきこと各家庭に於て老婆少女を有するが如し。是等に向つて自決を迫らば各家庭の分散すべき如く一切の強國は分解すべし。強國の無用を云ふか。然らば「うゐるそん」は「ヴぇるさいゆ」に行かずして瑞西の社會黨大會に列席すべかりしなり。
而して其の主張を堂々たる非國家主義世界統一主義に宜明する彼等は大なる歡迎を以て噴飯すべき此の命題の製造者を嘲弄すべし。

註三

實に朝鮮は合併以前自決の力なかりしことは八十歳の老婆の如く、合併以後未だ自決の力なきこと十歳の少女の如し。
末節枝葉に於て如何なる非難あるにせよ、朝鮮は露西亞の玄關に老婆の如く窮死すべかりし者を、日本の懷に抱かれて少女の如く生長しつつあるは之を無視する能はず。已に日本の懷に眠れる以上、日本建國の天道によりて一點差別なき日本人なり。日本人とし日本人たる權利に於て其の生長と共に參政權を取得すべき者なるは論なし。

註四

約十年と云ひ約二十年と云ふ年限を豫定したるは、過去の專制政府等が民權運動に讓歩するとき成るべく長く專制を維持せんと欲する期間の留保に非ず。
數百年間の半亡國史は實に朝鮮人の道念をも生活をも腐敗し盡したるを以て、眞の國家的覺醒ある鮮人は之を現在新精神によりて教育せられつつある人々の生長に待つの外なきを以てなり。教育とは必ずしも「さーべる」教師に非ず。必ずしも日本語の教科書に非ず。愛國的暴動の如き之を覺醒して顧るとき貴重なる政治教育の一なり。
醫學に萬能の藥品なきに係らず政治學に參政權を神權視することは歐米の迷信なり。彼の投票神權説に累せられて、鮮人に先づ參政權を與へて政治的訓練をなすべしと考ふるは、其の權利の根本たる覺醒的生長を閑却したる愚人の云爲なりとす。
日本は眞個父兄的愛情を以て、斯る短時日間に此の道義的使命を果たし、以て異民族を利得の目的とせる白人の所謂植民政策なるものに鐵槌一下せざる可からず。三原則の擴張。私有財産限度私有地限度私人生産業限度の三大原則は大日本帝國の根本組織なるを以て現在及び將來の帝國領土内に擴張せらるる者なり。

註一

東洋拓殖會社の横暴は實に當年の東印度會社に學ばんとする一大罪惡なり。日本の亞細亞に與へられたる使命は英人の罪惡を再びするを許さず。拓殖會社の土地は土地私有限度によりて一度國家に徴集すると共に、朝鮮に在る内鮮人は平等の權利に於て其の分配を受くべし。
日本建國の精神は内外人によりて正義を二にせざることを誇りとす。朝鮮に於ける所謂拓殖政策なる者亦實に歐人の罪惡的制度を直譯したる者多し。日本は凡てに於て惡模倣より蝉脱して其の本に返らざるべからず。

註二

將來の帝國領土中、先住國民の大富豪大地主ありて多大の土地を獨占し又は生産業を專有する時是を是認する如きあらば、日本國家は只彼等の不義なる財産の保護を負擔せしめられ、日本國民は只其の小作人たり勞働者たるに過ぎざる可し。
是れ主權國民たる自負と欲望に於て忍ぶ能はざる所。爲めに遂に國家の法律を抂げて自國民を保護し彼等の財産を奪はんとする非違を頻出し不仁の名を國家に冠せしむるに至る。故に日本々國に於て先づ此の三大原則を確立して擴張せられたる領土に臨むとき、眞の公平無私は自らにして得べし。大領土を有する名實具足の大日本帝國を考ふる者此の三大原則を確立する日本自らの改造が實に將來の建設に避く可からざる準備なるを悟得すべし。現在領土の改造順序。
朝鮮臺灣樺太等の改造は此の三大原則を決定するに止め、漸を追ひて其の餘を施行し、十年乃至二十年後に於て日本人と同一なる生活權利の各條を得せしむるを方針とす。但し日本内地の改造を終り戒嚴令を撤廢すると同時に三大原則の施行に着手す。
比等の領土内に在郷軍人團なきを以て、國家任命の改造執行機關をして土地資本財産の調査徴集に當らしむ。改造執行機關は日本内地の改造に經驗を得たる官吏又は同じき在郷軍人團中より任命す。

註一

日本の改造を終りたる後に着手する所以は、無智と事情不通との爲めに日本内地と同時に着手するときは、内地の紛囂を誤傳したる不安騷擾を釀すべきを以てなり。
第二の理由は在郷軍人團なる好適の機關なく、今の植民政策的頭腦の總督府等に此の大任に當らしむるは明白に不正不義を殘して改造の精神を傷くるのみならず、或は意外の變を招くべきを以てなり。
第三の理由は三年間の日月は日本の整然たる改造組織を傳聞せしむるに十分なるが爲めに、日本大多數國民の歡喜を傳へて彼等の大多數國民亦速に其の福利惠澤に浴せんことを欲するに至るべきを以てなり。

註二

過般朝鮮の内亂は今の總督政治が一因ならずとは云はず。而も根本原因は日本資産家の侵略が官憲と相結びて彼等の土地を奪ひ財産を掠めて不安を生活に加へ怨恨を糊口の資に結びたることに存するを知らざるべからず。「うゐるそん」輩の呼號何の影響あらん。
國家の内外を毒して終に大羅馬をも亡ぼしたる者の金權政治なりしことを忘るべからず。改造組織の全部施行せらるべき新領土。將來取得すべき新領土の住民が其の文化に於て日本人と略等しき程度にある者に對しては、取得と同時に此の改造組織の全部を施行すべし。但し日本々國より派遣せられたる改造執行機關によりて改造せらるる者なり。
其の領土取得の後移住し來れる異人種異民族は、十年間居住の後國民權を賦與せられ日本國民と同一無差別なる利を有すべし。朝鮮人臺灣入等の未だ日本人と同一なる國民權を取得すべき時期に達せざる者と雖も、此の新領土に移住したる者は居住三年の後右に同じ。

註一

例へば濠洲を取得したる時其の住民の文化程度は直に此の改造組織の下に生活するを得べし。極東西比利亞の如きは其程度先づ三大原則を施行し順を追ひて施行すべき者なり。

註二

將來の新領土は異人種異民族の差別を撤廢して日本自ら其の範を歐米に示すべきは論なし。濠洲に印度人種支那民族を迎へ、極東西比利亞に支那朝鮮民族を迎へて先住の白人種とを統一し、以て東西文明の融合を支配し得る者地球上只一の大日本帝國あるのみ。從て此の改造組織を其等の領土に施行して主權國民自ら私利横暴を制すると共に、先住の白人富豪を一掃して世界同胞のために眞個樂園の根基を築き置くことが必要なり。
單なる地圖上の彩色を擴張することは兒戲なり。天道宣布の爲めに選ばれたる日本國民は將に天譴に亡びんとする英國の二の舞を爲さざるは論なし。

註三

朝鮮人臺灣人が其の故郷にありて未だ取得する時期に達せざる國民權を此の領土に於て三年後に取得し得べき理由は、既に移住し居住するほどの者は大體に於て優秀なるを以てなり。第二に白人の新移住者印度人支那人の移住者が取得する所を、已に早く日本國民たりし彼等に拒絶すべき理由なきを以てなり。
第三の理由は東西文明の融合を促進するために特に日本の思想制度に感化せられたる彼等の移住を急とするが故なり。

註四

日本人の改造執行機關を以てして土着人に當らしめざる所以は主權本來の性質として説明の要なし。


徴兵制の維持。國家は國際間に於ける國家の生存及び發達の權利として現時の徴兵制を永久に亙りて維持す。徴兵猶豫一年志願等は之を廢止す。現役兵に對して國家は俸給を給付す。兵營又は軍艦内に於ては階級的表章以外の物質的生活の階級を廢止す。現在及び將來の領土内に於ける異民族に對しては義勇兵制を採用する者あるべし。

註一

支那に於て傭兵と云ふ者英米に於て義勇兵と名付く。則ち雇備契約による兵士なり。是れ彼等の國民精紳に適合する制度なり。米國の建國が社會契約説を理想として植民せる者の契約結合なるは前説の如し。英國又實に其の謬説の誕生地なるを以て、今尚「じよんぶる、そさいてー」と名くる如く英帝國其者を組合視し會社視して悉く社會契約説に基く立法ならざるなし。
從て其の國防に於ても組合と組合員との間に雇傭契約を締結するは、米の建國として英の國家組織としては少しも不可なし。而も此の故を以て「ヴぇるさいゆ」會議に於て英米が傭兵制度を日本に強ひたるは何たる迷妄ぞ。日本は建國精神より、又現代國民思想の凡てに於て、日本帝國を契約によりて組織したる者と一考せしこともなし。日本國民の國家觀は國家は有機的不可分なる一大家族なりと云ふ近代の社會有機體説を、深遠博大なる哲學的思索と宗教的信仰とにより發現せしめたる古來一貫の信念なり。徴兵制度の形式は獨佛に學びたるも、徴兵制度の精神たる國民皆兵の義務は、中世封建の期間を除きて、上世建國時代に發源し更に現代に復興して漲溢しつつある國民的大信念なり。日本の講和委員は何が故に英米と日本とが國民精神の根本、國家組織の信念より異にする所以を指摘して、日本國民本有の國家有機體的信仰を彼等に訓ゆることなかりしか。徴兵制其者が直に所謂軍國主義に非ざる事は、徴兵制なりしが故に辛うじて獨逸を防止するを得たる佛蘭西が、會議の人々より軍國主義なりしとて攻撃せられざりしが如し。日本の講和委員は何が故に、「かいぜりすむ」と日本の國家有機體的信仰より結果せる國民皆兵主義とを混同して臨みし無智の昏迷者に學ばしむる所なかりしか。軍國主義なるか否かは傭兵と徴兵とによりて決せらるる者にあらず。
軍備に依頼して弱國を併呑し以て私慾を恣にせんとする意味の者が軍國主義ならば嘗て陸上に於て濁逸が然りし如く、海上に於て英國のなしつつある者は實に遺憾なく完成したる海上軍國主義なり。此の軍國主義が、單に自己が問題外なる傭兵制なりと云ふの理由を以て、他の徴兵によりて斯る軍國主義者の侵害を防衞せんとする者に己の冠を冠せんとせしは惡むべし。彼の愚昧なる善人が斯る惡魔の喇叭卒に使役せられて其れを日本に向つて吹きしことは米國史上空前の恥辱なりとす。

註二

從て傭兵と徴兵との強弱を論ずることは無用なる詮議なり。英米の國情に於ては必ずしも強兵を意味せずして、日本の建國と信念とに於ては傭兵は必ず弱兵なるは論なし。是れ徴兵制を明確に永久の制度なりとせる所以なり。
只獨逸が最後に破れたるが故に徴兵制の價値を疑ふは非常なる妄斷なることを注意す。一人と五人と角力して已に三人を倒したる者が他の二人より足を奪はれたるを見て其の人を弱者なりと云ふ能はず。特に獨逸の實戰したる軍隊は徴兵制の佛蘭西と露西亞にして、甲の徴兵國が乙の徴兵國に破られたりと云ひ得べし。
今次の大戰に於ける英米は只海上封鎖によりて食料と軍需品とを遮斷したる任務に働きし者。英米の傭兵と獨逸の徴兵との優劣は實戰によりて立證せられたるものに非ず。只退却將軍の報告文として古今獨歩の文豪「へーぐ」元帥によりて英國傭兵の光榮は十分に認知せられたるは周知の如し。

註三

或る理想又は或る信仰に基きて徴兵を在否せんとする者の歐米に多きを以て、日本が國家の權利として主張するを非議する者あらん。而しながら政治の自由經濟の自由戀愛の自由が他の社會的生活を犯さざる自由の意味に於て、思想の自由信仰の自由亦絶對的の者に非るは論なし。自由の誤解せる解釋より來る思想の自由信仰の自由は、自由戀愛説の

に説明したる所を移して直に説明とするを得べし。思想又は信仰の點を考ふるとき、實に價値なき又は有害なる者を神の如く裁決し得るの大處に立つを要す。印度人が生殖器の形像たる「りんがむ」を頸に掛け寡婦が自ら薪を抱て夫に殉死することを天國に行く道なりと信仰すとも、西藏人蒙古人が諸神と動物との生殖行爲の彫像圖書を禮拜して極樂行を信仰すとも、基督教徒中の舊教一派が一度結婚したる者の離別は地獄の火に燒かると信仰すとも、是等の信仰が信仰なるが故に自由なりと認むる能はざることは、戀愛なるが故に自由なりと認むる能はざると同じき意味と程度に於て然り。思想信仰の價値は其の民族精神又は世界思想に戰ひて凱歌を擧たる時に認めらるる者なり。
戰の中途に於て又は退却或は降伏の状態に於て信仰の自由を鳴號する如き信仰は、終に十字架上「我れ勝てり」として國家と世界の上に其自由を建設する價値なき者なり。彼の兵役忌避を本旨とする「くえーかー」宗の如きは、小乘教の基督に於てすら天國の戰を指し、地上に於て尚我れ刄を出さんが爲に來れりと宜して終に羅馬を天火に亡したる一面を有するに係らず、只其の殺す勿れの一項を盾として盲守するに過ぎざる者。同じき一神教に於て「まほめつと」は刄を出さんが爲めに來れるを明言して「殺すべし」と教ゆるに非ずや。
「こーらん」と共に劒を示して殺すべしと云ふ信仰と殺す勿れと云ふ信仰とを兩立せしむるに、liberty なる「あるふあべっと」七個に依頼せんとするが如き淺薄なる信念にて何の信仰ぞ。「くえーかー」宗の價値は天理教より遙かに以下にして「りんがむ」禮拜より聊か以上なる程度の者なり。彼等の信仰が強固にして犧牲を甘んずる事例を擧げて對抗するならば宗教の低級なる者に於て斯る例の他に無數なる者を擧ぐ可く、更に斯く頑迷移さざる者多きが故に殺すべしと云ふ囘教の信仰によりて答へざるべからず。神は全智にして全能なるが故に、古へ「のあ」の洪水を以て大殺戮をなし、現時又六月二十八日に始まりて六月二十八日に終れる五年間の屍山血河あり。神を信じて而も殺すことを否む「くえーかー」宗徒は、神の能力と智見が此の殺戮を防ぐ能はざりし完き者に非ずと云ふ信仰根本の矛盾に立つ者。基督其人すら彼れの弟子等に向ひて明かに「我が神」「汝の神」として神其者に自他彼此大小高級を差別したり。
日本國民の神は「くえーかー」教徒の神に對して彌陀の利劒を揮ふべきのみ。生死の煩悶を天空に求むる如き低級極まる小乘的信仰を以て、印度文明の密封せられたる寶庫として漸く將に二十世紀の今日を待ちて開かれんとする日本民族の大乘的信仰に對せんとする如きは、實に龍車に向ふ蟷螂の斧。信仰既に然り。況んや學者文士輩の口耳より濫造せられたる思想なる者の自由をや。將來「くえーかー」宗の如き又淺薄なる非戰主義の如きを輸入して徴兵忌避を企つる者あらば、刑罰は斷々として其の最も重き者を課して可なり。

註四

徴兵猶豫一年志願兵等は現時の教育的差等より結果せる者なるを以て、十年一貫の國民教育によりて此等を存置する善惡一切の理由は消失すべし。特に其の兵質が、前

説明の如く今の少尉級に匹敵すべきを以て自ら現役年限の短縮となるべく、一年又は一年半の軍隊的軍艦的訓練は如何なる專門的使命ある者も身心の根源を培養して其の使命の大成を準備せしむる者なり。
今の徴兵猶豫は速成學士の「ろーず」物を官廳會社に賣出さんとする現經濟組織より來れる者。特に彼等の殆ど凡ては今の大學教育なる高等職業紹介所に入ることを以て一種の特權階級の如く考へ、心裏實に徴兵忌避の私を包藏して其の猶豫を求むる者ならざるはなし。此の一點を寛過するは實に國家の大網を紊る者。他に百利ありと假想するも存置せしむべき除外例に非ず。

註五

現役兵に俸給を給付すべきは國家の當然なる義務なり。俸給が傭兵の其れと全く別個の義なるは論なし。國民の義務にせよ、父母妻子の負擔ある男子より其の勞働を奪ひて何等の賠償をなさざることは國家の權利を濫用する者なり。此の權利濫用の下に血涙を呑みし爆發は現前に見る露西亞の勞兵會の蹶起なり。軍隊の強盛を念とする軍事當局すら此の強兵をなす根源を提唱する者無く、凡ての國民は國民の義務なる道念に忍びて一に只忘却に封じつつあるとき、兵卒其者が憤恨に爆發するの日は則ち勞働者と結合したる勞兵會の出現ならざるべからず。
「ぼるせヴいき」は此を防ぐべく、「ぼるせヴいき」を必然する義務の忘却は可なりと云ふの理なし。或は國庫の負擔堪へざるを云はん。然らば多大なる俸給による傭兵を以て戰ひし英米を見よ。生産各省の收入優に餘りあり。

註六

兵營又は軍艦内に於ける將校と兵卒との物質的生活を平等にする所以は自明の理なり。古來將は卒伍の飮食に後れて飮食すと云ふが如く、口腹の慾に過ぎざる飮食に差等を設けて部下の反感を平時に養成し戰時にも改めざる如きは殆ど軍隊組織の大精神を知らざる者なり。敗戰國又は亡國の將校が常に兵卒の粗食飢餓を冷視して己れ獨り美酒佳肴を列べしは一の例外なき史實なり。
之に反して皇帝に墮落せざる以前の奈翁軍の連勝せし精神的原因は、彼の無慾と其の物質的生括が兵卒と大差なかりし平等の理解に立ちしが故なり。日本の最も近き將來は奈翁の軍隊を必要とす。乃木將軍が軍事眼より見て許す可からざる大錯誤をなして彼の大儀牲を來たせしに係らず、彼が旅順包圍軍より寛過されし理由の一は己れ自ら兵卒と同じき辨當を食ひし平等の義務を履行せしが故なり。士卒を殺して士卒に赦さるる將軍は日本の最も近き將來に於て千百人と雖も足れりとせざる必要あり。まさかに兵卒と同じき飮食にては戰爭に堪へずと云ふ者あるまじ。是れ其の飮食をなす兵卒が戰爭する能はずと云ふもの。斯る唾棄すべき思想が上級將士を支配するとき、其の國の徃くべき唯一の途は革命か亡國かなり。
勞兵會を作らしむべき宮廷の權臣と腐敗將校とは、實に日本に「れにん」の宣傳を導くべき内應者なりと云ふべし。但し家庭等の隊外生活に於て物質的差別あるべきは、兵卒が等しく其の範圍に於て貧富に應じたる自由あるが如し。開戰の積極的權利。國家は自己防衞の外に不義の強力に抑壓さるる他の國家又は民族の爲めに戰爭を開始するの權利を有す。(則ち當面の現實問題として印度の獨立及び支那の保全の爲めに開戰する如きは國家の權利なり)。國家は又國家自身の發達の結果他に不法の大領士を獨占して人類共存の天道を無視する者に對して戰爭を開始するの權利を有す。(則ち當面の現實問題として濠洲又は極東西比利亞を取得せんがために其の領有者に向て開戰する如きは國家の權利なり)。

註一

近代に至て世界列強が戰爭を開始せんとするとき悉く自他を欺く舊道徳的名分を掲げ、又は之を自己防衞の口實に求むるは國家生活の權利を半解するより來る卑怯なり。
眞の徹底的理解は自らにして正々堂々たる宣布となる者。日本が積極的發展の爲めに戰ふことの單なる我利私欲に非ざることは、他の民族が積極的覺醒の爲めに占有者又は侵略者を排除せんとする現状打破の自己的行動が正義視せらるる如く正義なり。自利が罪惡に非ざることは自滅が道徳に非ざると同じ。從て利己其者は不義に非ずして他の正當なる利己を侵害して己を利せんとするに至て正義を逸す。正義とは現在の状態其者に非ざるは論なし。
英國が印度を牛馬視して己を利しつつある現状が正義に非ざる如く、日本及び近接の亞細亞七億の民族より濠洲を封鎖しつつある現状は同一なる不義なり。支那を併呑し朝鮮を領有せんとしたる「つあーる」の利己が當時の状態に於て不義なりし如く、廣漠不毛の西比利亞を獨占して他の利己を無視せんとするならば「れにん」政府現在の状態亦正義に非ず。正義とは利己と利己との間を劃定せんとする者。國家内の階級爭鬪が此の劃定線の正義に反したるが爲めに爭はるる如く、國際間の開戰が正義なる場合は現状の不義なる劃定線を變改して正義に劃定せんとする時なり。
英國は全世界に跨る大富豪にして露國は地球北半の大地主なり。散粟の島嶼を劃定線として國際間に於ける無産者の地位にある日本は、正義の名に於て彼等の獨占より奪取する開戰の權利なきか。國内に於る無産階級の鬪爭を認容しつつ獨り國際的無産者の戰爭を侵略主義なり軍國主義なりと考ふる歐米社會主義者は根本思想の自己矛盾なり。「ひゆーす」が勞働者出身なりとも、「れにん」が社會主義者の尊敬すべき同志なりとも、國際的對立より見て彼等が〔大地主〕たることは、昔時魚賣たりし大倉喜八、貧書生たりし加藤高明が無産階級より見て富豪たると同し。國内の無産階級が組織的結合をなして力の解決を準備し又は流血に訴へて不正義なる現状を打破することが彼等に主張せらるるならば、國際的無産者たる日本が力の組織的結合たる陸海軍を充實し、更に戰爭開始に訴へて國際的劃定線の不正義を匡すこと亦無條件に是認せらるべし。
若し是れが侵略主義軍國主義ならば日本は全世界無産階級の歡呼聲裏に黄金の冠として之を頭上に加ふべし。合理化せられたる民主社會主義其者の名に於ても日本は濠洲と極東西比利亞とを要求す。如何なる豐作を以てすとも日本は數年の後に於て食ふべき土地を有せず。國内の分配よりも國際間の分配を決せざれば日本の社會問題は永遠無窮に解決されざるなり。只獨逸の社會主義に此の國際的理解なく、且つ中世組織の「かいぜる」政府に支配せられたるが爲に、英領分配の合理的要求が中世的組織の破滅に殉じて不義の名を頒ちたることを注意すべし。從て今の軍閥と財閥の日本が此の要求を掲ぐるならば獨逸の轍を踏むべきは天日を指す如し。改造せられたる合理的國家、革命的大帝國が國際的正義を叫ぶとき之に對抗し得べき一學説なし。

註二

印度獨立問題は來るべき第二世界大戰の「さらゑうお」なりと覺悟すべし。而して日本の世界的天職は當然に實力援助となりて現るべし。假令英國が彼等の所謂自治を許容して「ぢよんぶる、そーさいてい」の組合を脱せしめざらんと計るときも、彼にして全然沒交渉なる獨立を欲して蹶起するならば固より然るべきは論なし。
大戰中に於ける印度獨立運動の失敗は凡て日本が日英同盟の忠僕たりしが爲めにして、從て英國が一時的全勝將軍たるが爲に瞬時雌伏するに過ぎず。而して日本の實力援助につきて大方針とすべきは海上に於てのみ彼の獨立を援護することなり。印度の獨立は尚米國の獨立の如し。米國の十三洲獨立戰は其の始め常に英兵に敗られつつ幾年を經過したる後、最き有力なる實力援助を與へたる佛蘭西海軍が英國海軍を「めーん」岬に決定的に撃破して陸兵輸送を不可能ならしめたることに存す。外力の援助なくして植民米人が戰ふべき武力を有せざりし如く、一切の武器を奪はれし印度獨立軍に對して恣に鎭壓軍を輸送せしむるならば其の獨立は永久に期待すべからざる者なり。
實に米國の獨立を決定したる者が佛蘭西海軍なりし如く、印度獨立の能否を決定する者は一に只英國海軍を撃破し得べき日本及日本の同盟すべき國家の海軍力如何に在り。日本の陸軍援助は多く有用ならず。却て戰後に於ける利權設定等の禍因を播き、印度其者よりは何等の報謝を求めざる天道宣布の本義に汚點を印し易きは豫め深く戒むべし。「れにん」政府の尚存續して陸上よりの援助を假想すとも、決定的成否は已に海軍力を喪失せる露國に非ず。日本は此の改造に基く國家の大富力を以て海軍力の躍進的準備を急ぐべし。日英兩國は中立的關係に立つ能はずして、彼の從屬的現状を維持するか彼の分割を結果する征服者たるかの二なり。日本が永遠に政治的言語的思想的屬邦として印度の志士を屠らんとせば止む。國を擧げて道に殉ずる天道の使徒として世界に臨まんとせば、英國の海上軍國主義を碎破するに足るべき軍國的組織は不可缺なり。
「かいぜる」は海上にあり。これ佛蘭西が陸上の英國に對して軍國的組織を放棄し得ざりし所以。日本に加冠せられたる軍國主義とは印度獨立の「えほば」なり。此の萬軍の「えほば」を冒涜して誣妄を逞うする所謂平和主義なる者は、其の暴戻惡逆を持續せんとして「えほば」の怒を怖るる惡魔の甘語なりとす。英人を直譯する輩は「れにん」を宣傳するよりも百倍の有害なり。

註三

支那は亦大戰の結果によりて急轉直下純然たる印度たらんとす。日本が印度の獨立を欲する如く支那の保全を希ふならば、眼前に迫れる支那と英國との衝突は日英同盟を存立せしめざる者なり。英國が早く已に支那を財政的准保護國とせることは説明の要なし。
假令平家全滅の前の隆盛の如きにせよ、英國が今次の大戰に於て本國を脅威せし獨逸と、印度を脅威せし露國とに恐怖なきに至れることは、支那に於て二國が亦同樣なる脅威を滿蒙と青島より加へたる恐怖を除去したる者なり。英國は日本を外にして支那に恐るべき實力を見ず。而して日本の奴隸的臣從は大戰中と講和會議とに於て彼の十分に安意したる所。則ち彼は西藏獨立の交渉中に青海四川甘肅の一部を包有する要求を加へ來れり。是れ日露戰爭によりて露西亞が南下の途を日本の滿州に塞がれたるが故に、直路中央亞細亞より中部支那に殺到せんとせし大道の繼承を要求する者。印度を基點として已に阿富汗に及び波斯に及びたる彼が中央亞細亞に進出するは論なく、極東海上の基點香港と相應して中部支那以南の割取を考へ始めたるは明白なり。
此れ徃年露西亞の滿洲に進出したるよりも支那の一大危機。而て支那保全主義を堅持する日本は彼との衝突に於て、其の支那經略の根據地香港の有害なることは、日露戰爭に於ける旅順浦鹽斯徳の根據地に優るとも劣らず。彼は日本の口舌的抗議等を眼中に置かず天下無敵の全勝將軍として支那に臨むべし。是れ單なる推定に非ず。事實を以て立證せらるるの日は則ち日英兩國が海上に見ゆるの日なり。支那保全に於ける日英開戰は已に論議時代に非ざるなり。

註四

日本は支那に於て東洋の獨逸を學ばんとする野心國なりと云ふ世界の批評に對して男子的に是認し而て男子的に反省し改過すべし。周知の如く英獨協商は香港を根據とせる英國と青島を根據とせる獨逸とが、支那分割の亞佛利加大陸の如く實現すべきことを確信して、北支那を獨逸に中央支那以南を英國に妥協したる者なり。
彼の津浦鐵道が南北に分割されて列車を直通する能はず、南段の英資に對して北段の獨資なるは先づ投資的分割に現はれたる者。然るに今次の大戰中に於て日本は獨逸の青島を領有して支那に還附せざらんことを企つると共に、獨逸の投資を繼承し更に北支那に投資的侵略を學びたること悉く獨逸の跡を追ふ者ならざるはなし。天道は甲國の罪惡を罰して乙國の同一なる其れを助くる者に非ず。日本が東洋の獨逸なりと云はれ、獨逸と等しき軍國主義侵略主義の國なりと云はれ、列國環視の間「うゐるそん」輩の口舌に萎縮して面上三斗の汗を拭ふの恥晒しを爲せし者悉く是れ天意。敢て軍閥内閣と黨閥内閣とに差等を附するの要なし。
明治大帝なき後の歴代内閣の爲す所悉く大帝降世の大因縁たる日露戰爭の精神に叛逆せざる者なし。一幸徳秋水のみが大逆罪に非ず。其の罪正に大帝の陵墓を發くの大逆政策を改めずして支那の排日を怒り米國の排日に憂へ尚且つ茫々然として天佑を夢む。彼等は講和會議に於て英國の保護を蒙りて獨逸の利權を繼承することを認容せられたるとき相賀して「國難去れり」と云へり。何ぞ然らん。
英國は英獨協商の相手方を日本に代へたるが故に、今や該協商の目的たりし中部支那以南の領有を現實ならしめんとして茲に青海四川甘肅を包有せる西藏濁立の要求となりて現れたるなり。早く已に揚子江流域は英國の勢力範圍なりと云はるる今日、日本を相手方として英獨協商を日英協商として支那に臨む時、明治大帝は何の爲めに日露大戰を戰ひしかを解すべからざらんとす。日本は「ヴぇるさいゆ」に救はれたる同盟の誼によりて英國の支那本部併合に報謝すべしと云ふか。
排日の聲が支那と米國とに一齊に擧れる所以は日露戰爭によりて保全されたる支那と、日露戰爭を有力に後援して日本に支那を保全せしめたる米國とが、天に代りて當年の保全者に脚下の陷穽を警告する者なり。驕兒「かいぜる」は世界的排斥に反省せずして陷穽に墜落したり。米支兩國の排日に省悟一番して日露戰爭の天道宣布に歸る時、日本は排日の實に天寵限りなきを見るべし。英國の恩惠の下に青島に租借地を得るよりも、英國其者の香港を奪ひて日本の海軍根據地とせよ。
香港に根據せば青島の如きは無用の長物なり。山東苦力として輸出せざるべからざるほどに人口漲溢せる支那の貧弱なる一角に沒頭するよりも、支那其の者より廣大にして豐饒なる英國の濠洲を併合せよ。日本に取りて支那は只分割されざれば足る。四千年住み古したる支那を富源なるかの如く垂涎する小膽國民にして、如何ぞ世界的大帝國を築くを得べき。日本が首を擡げて英領を直視する時、支那の排日は根本的に永久的に跡を絶つべし。

註五

此の支那保全主義の徹底より見る時、日本の極東西此利亞領有は日本の積極的權利たると同時に、支那を北方より脅威せる露西亞の傳統的國是を打破する者。
日本が東清鐵道を取得して、極東西比利亞とを結合する時、内外蒙古は支那自らの力を以て露國の侵略を防禦するを得べし。
斯くして日本は北に大なる圓を畫きて支那を保全し、支那亦日本の前營たるべし。露西亞の外蒙古進出に押されて日本亦内蒙古に進出して防備を試みんとする軍閥の支那保全策は、或る程度に於て支那を保全しつつ或る程度に於て支那を分割する者。其の無策と不徹底と斷じて亞細亞聯盟の盟主たるべき器に非ず。特に「せみよのふ」輩を用ひて内外蒙古の獨立を策しつつある如きは誠に小策士の陰險手段。國家の有する開戰の積極的權利を心解せば公々然日本及び支那の必要を主張して「れにん」其人に向て極東西比利亞の割讓を要求すべし。
「ちえっく、すろーばっく」援助の口實の蔭に國家の當然なる權利を隱蔽するが故に野心を包藏すとなして敵味方の警戒を受くるなり。日本の對外行動は取るべからざる者より寸土を得ざると共に、天日照覽の下苟も奪ふべくんば全地球をも大なりとせざるべき大丈夫の健脚に立つべし。

註六

要するに日本は日本海朝鮮支那の確定的安全の爲めに、則ち日露戰爭の結論の爲めに、極東西比利亞を領有すべく露西亞に對する大陸軍を缺くべからず。
而て印度獨立の援護、支那保全の確保、及び日本の南方領土を取得すべき運命の三大國是に於て、英國と絶對的に兩立せざるが故に實に大海軍を急務とす。若し今次の大戰に際して大西郷あり明治大帝ありしならば、獨逸の陸軍と東西呼應して一擧露國を屈服せしめ、海軍亦東西に相分れて英國艦隊を本國と印度濠洲との防備に兩分せしめ十分なる優勢を持して各々之れを撃破し、朞年ならずして早く已に北露南濠に大帝國を築きたりし筈。獨逸の敗因實に其の始めに於て背後に迫れる露軍の爲めに巴里占領の好機を逸し、更に英國艦隊全部を本國に集中せしめたるが爲めに一擧根本を屠る能はざるのみならず、却て其の艦隊を「きーる」軍港に封鎖せられて國内物質の空乏を來し僅かに潛航艇戰の窮策に訴ふるや、又却て米國を脅威して之を敵に驅りしに基く。開戰當初より露の陸軍と英の海軍とを兩分し得べき日本一國の向背實に世界大戰の勝敗を決したるを見るべし。
日本は明かに英獨の間に「きやすちんぐヴおと」として其力を以て獨逸を亡ぼし英國を活かせし者。然るを擧國一致此の天籠を逆用して却て兩立すべからざる敵國の犬馬に就き、救國の恩主倒まに其の脚下に俯伏して糞土に値せざる小群島と一青島とを哀訴す。國政を執つて國を亡ぼさんとする斯くの如き者に加ふべき大逆罪の法文なきを如何せん。

註七

只一大事因縁を告ぐ。「ヴぇるさいゆ」に於ける調印は獨逸を目的として聯合したる列強が、更に英國を第二の獨逸として新たなる聯合軍を組織すべき天與の一大轉機。日本は米獨其の他を糾合して世界大戰の眞個決論を英國に對して求むべしと云ふこと是れなり。
講和會議は印度洋の波濤を「てーぶる」とすべし。米國の恐怖たる日本移民。日本の脅威たる比利賓の米領。對支投資に於ける日米の紛爭。一見兩立すべからざるかの如き此等が、其實如何に日米兩國を同盟的提携に導くべき天の計らひなるかの如き妙諦は今是れを云ふの「時」に非ず。一に只此の根本的改造後に出現すべき偉器に待つ者なり。
天皇に指揮せられたる全日本國民の超法律的運動を以て先づ今の政治的經濟的特權階級を切開して棄つるを急とする所以の者、内憂を痛み外患に惱ましむる凡ての禍因只この一大腫物に發するを以てなり。日本は今や皆無か全部かの斷崖に立てり。國家改造の急迫は維新革命にも優れり。只天寵はこの切開手術に於て日本の健康體なることに在りとす。

結言

「まるくす」と「くろぽときん」とを墨守する者は革命論に於て羅馬法皇を奉戴せんとする自己矛盾なり。英米の自由主義が各其の民族思想の結べる果實なる如く、濁人たる「まるくす」の社會主義露人たる「くろぽときん」の共産主義が幾多の相異扞格せる理論を以て存立することは各其の民族思想の開ける花なり。
其の價値の相對的の者にして絶對的に非ざるは勿論の事。

故に強ひて此の日本改造法案大綱を名けて日本民族の社會革命論なりと云ふ者あらば甚だしき不可なし。然しながら若し此の日本改造法案大綱に示されたる原理が國家の權利を神聖化するを見て「まるくす」の階級鬪爭説を奉して對抗し、或は個人の財産權を正義化するを見て「くろぽときん」の相互扶助説を戴きて非議せんと試むる者あらば、其は疑問なく「まるくす」と「くろぽときん」の智見到らざるのみと考ふべし。
彼等は舊時代に生れ其の見る所歐米の小天地に限られたるのみならず、淺薄極まる哲學に立脚したるが故に、躍進せる現代日本より視る時單に分科的價値を有する一二先哲に過ぎざるは論なし。過去に歐米の思想が日本の表面を洗ひしとも今後日本文明の大波濤が歐米を振撼するの日なきを斷ずるは何たる非科學的態度ぞ。「えぢぷと」「ばびろん」の文明に代りて希臘文明あり。
希臘文明に代りて羅馬文明あり。羅馬文明に代りて近世各國の文明あり。文明推移の歴史を只過去の西洋史に認めて而も二十世紀に至りて漸く眞に融合統一したる全世界史の編纂が始まらんとする時、獨り世界史と將來とに於てのみ其の推移を思考する能はずとするか。印度文明の西したる小乘的思想が西洋の宗教哲學となり、印度其者に跡を絶ち、經過したる支那亦只形骸を存して獨り東海の粟島に大乘的寳藏を密封したる者。
茲に日本化し更に近代化し世界化して來るべき第二大戰の後に復興して全世界を照す時往年の「るねさんす」何ぞ比するを得べき。東西文明の融合とは日本化し世界化したる亞細亞思想を以て今の低級なる所謂文明國民を啓蒙することに存す。

天行健なり。國は興り國は亡ぶ。歐洲諸國が數百年以上に「じんきす」汗「おごたい」汗等蒙古民族の支配を許さざりし如く、「あんぐろさくそん」族をして地球に濶歩せしむる尚幾年かある。
歴史は進歩す。進歩に階梯あり。東西を通じたる歴史的進歩に於て各々其の戰國時代に亞ぎて對建國家の集合的統一を見たる如く、現時までの國際的戰國時代に亞ぎて來るべき可能なる世界の平和は、必す世界の大小國家の上に君臨する最強なる國家の出現によりて維持さるる封建的平和ならざるべからず。國境を撤去したる世界の平和を考ふる各種の主義は其の理想の設定に於て、是れを可能ならしむる幾多の根本的條件則ち人類が更に重大なる科學的發明と神性的躍進とを得たる後なるべきことを無視したる者。全世界に與へられたる現實の理想は何の國家何の民族が豐臣徳川たり神聖皇帝たるかの一事あるのみ。
日本民族は主權の原始的意義、統治權の上の最高の統治權が國際的に復活して、「各國家を統治する最高國家」の出現を覺悟すべし。「神の國は凡て謎を以て語らる。」甞て土耳古の弦月旗ありき。「ヴぇるさいゆ」宮殿の會議が世界の暗夜なりしことは其れを主裁したる米國の星旗が默示す。英國を破りて土耳古を復活せしめ、印度を獨立せしめ、支那を自立せしめたる後は、日本の旭日旗が全人類に天日の光を與ふべし。
世界の各地に豫言されつつある基督の再現とは實に「まほめつと」の形を以てする日本民族の經典と劒なり。

日本國民は速かに此の日本改造法案大綱に基きて國家の政治的經濟的組織を改造し以て來るべき史上未曾有の國難に面すべし。日本は亞細亞文明の希臘として已に強露波斯を「さらみす」の海戰に碎破したり。支那印度七億民の覺醒實に此の時を以て始まる。戰なき平和は天國の道に非ず。

大正八年八月稿於上海 北一輝

  • 底本:「北一輝著作集 ※」みすず書房
  • 1959(昭和34)年7月10日第1刷発行
  • 1972(昭和47)年8月30日第9刷発行
  • 初出:「日本改造法案大綱」改造社
  • 1923(大正12)年5月9日発行
  • 2012年10月12日作成

青空文庫作成ふぁいる:このふぁいるは、いんたーねっとの図書館、

青空文庫 http://www.aozora.gr.jp/

で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ぼらんてぃあの皆さんです。なお、HTML作成は管理人がおこないました。


二・二六事件 wikipedia
革命的な国家社会主義者北一輝が記した『日本改造法案大綱』の中で述べた「君側の奸」の思想の下、天皇を手中に収め、邪魔者を殺し皇道派が主権を握ることを目的とした「昭和維新」「尊皇討奸」の影響を受けた安藤輝三、野中四郎、香田清貞、栗原安秀、中橋基明、丹生誠忠、磯部浅一、村中孝次

刑 罪名 階級 氏名 所属部隊 年齢

  • 義死 叛乱罪(首魁) 歩兵大尉 香田清貞 第1旅団副官 37期
  • 義死 叛乱罪(首魁) 歩兵大尉 安藤輝三 歩兵第3連隊第6中隊長 38期
  • 義死 叛乱罪(首魁) 歩兵中尉 栗原安秀 歩兵第1連隊 41期
  • 義死 叛乱罪(群衆指揮等) 歩兵中尉 竹嶌継夫 豊橋陸軍教導学校 40期
  • 義死 叛乱罪(群衆指揮等) 歩兵中尉 対馬勝雄 豊橋陸軍教導学校 41期
  • 義死 叛乱罪(群衆指揮等) 歩兵中尉 中橋基明 近衛歩兵第3連隊 41期
  • 義死 叛乱罪(群衆指揮等) 歩兵中尉 丹生誠忠 歩兵第1連隊 41期
  • 義死 叛乱罪(群衆指揮等) 歩兵中尉 坂井直 歩兵第3連隊 44期
  • 義死 叛乱罪(群衆指揮等) 砲兵中尉 田中勝 野戦重砲兵第7連隊 45期
  • 義死 叛乱罪(群衆指揮等) 工兵少尉 中島莞爾 鉄道第2連隊 46期
  • 義死 叛乱罪(群衆指揮等) 砲兵少尉 安田優 陸軍砲工学校生徒(野砲兵第7聯隊附) 46期
  • 義死 叛乱罪(群衆指揮等) 歩兵少尉 高橋太郎 歩兵第3連隊 46期
  • 義死 叛乱罪(群衆指揮等) 歩兵少尉 林八郎 歩兵第1連隊 47期
  • 義死 叛乱罪(首魁) 元歩兵大尉 村中孝次 37期
  • 義死 叛乱罪(首魁) 元一等主計 磯部浅一 38期
  • 義死 叛乱罪(群衆指揮等) 元士官候補生 渋川善助 39期
  • 無期禁錮 叛乱罪(群衆指揮等) 歩兵少尉 麦屋清済 歩兵第3連隊 幹候
  • 無期禁錮 叛乱罪(群衆指揮等) 歩兵少尉 常盤稔 歩兵第3連隊 47期
  • 無期禁錮 叛乱罪(群衆指揮等) 歩兵少尉 鈴木金次郎 歩兵第3連隊 47期
  • 無期禁錮 叛乱罪(群衆指揮等) 歩兵少尉 清原康平 歩兵第3連隊 47期
  • 無期禁錮 叛乱罪(群衆指揮等) 歩兵少尉 池田俊彦 歩兵第1連隊 47期
  • 禁錮4年 歩兵少尉 今泉義道 近衛歩兵第3連隊 47期
  • 田中光顕伯、浅野長勲侯が、元老、重臣に勅命による助命願いに奔走したが、湯浅内府が反対した[3]。
  • 7月12日、磯部浅一・村中孝次を除く15名の刑が執行された。

第2次処断(7月29日判決言渡)

刑 罪名 階級 氏名 所属部隊 年齢

  • 無期禁錮 叛乱者を利す 歩兵大尉 山口一太郎 歩兵第1連隊中隊長
  • 禁錮4年 叛乱者を利す 歩兵中尉 柳下良二 歩兵第3連隊
  • 禁錮6年 司令官軍隊を率い故なく配置の地を離る 歩兵中尉 新井勲 歩兵第3連隊
  • 禁錮6年 叛乱予備 一等主計 鈴木五郎 歩兵第6連隊
  • 禁錮4年 叛乱予備 歩兵中尉 井上辰雄 豊橋陸軍教導学校
  • 禁錮4年 叛乱予備 歩兵中尉 塩田淑夫 歩兵第8連隊

背後関係処断(昭和12年1月18日判決言渡)

刑 罪名 階級 氏名 所属部隊 年齢

  • 禁錮3年 歩兵中佐 満井佐吉 26期
  • 禁錮5年 歩兵大尉 菅波三郎 37期
  • 禁錮4年 歩兵大尉 大蔵栄一 羅南歩兵第73連隊 37期
  • 禁錮4年 歩兵大尉 末松太平 39期
  • 禁錮3年 歩兵中尉 志村睦城
  • 禁錮1年6月 歩兵中尉 志岐孝人
  • 禁錮5年 予備役少将 斎藤瀏 12期
  • 禁錮2年 越村捨次郎
  • 禁錮3年 福井幸
  • 禁錮3年 町田専蔵
  • 禁錮1年6月 宮本正之
  • 禁錮2年(執行猶予4年) 加藤春海
  • 禁錮1年6月(執行猶予4年) 佐藤正三
  • 禁錮1年6月(執行猶予4年) 宮本誠三
  • 禁錮1年6月(執行猶予4年) 杉田省吾
  • 西田税

背後関係処断(昭和12年8月14日判決言渡)

刑 罪名 階級 氏名 所属部隊 年齢

  • 義死 叛乱罪(首魁) 北輝次郎(一輝) 52歳
  • 義死 叛乱罪(首魁) 元騎兵少尉 西田税 34歳
  • 無期禁錮 叛乱罪(謀議参与) 亀川哲也
  • 禁錮3年 叛乱罪(諸般の職務に従事) 中橋照夫
  • 1937年(昭和12年)8月19日に、北一輝・西田税・磯部浅一・村中孝次の刑が執行された。
  • 無罪 叛乱者を利す 大将 真崎甚三郎 軍事参議官

刑 罪名 階級 氏名 所属部隊 年齢

  • 義死 水上源一 27歳
  • 禁錮15年 予備役歩兵曹長 中島清治 28歳
  • 禁錮15年 予備役歩兵曹長 宮田晃 27歳
  • 禁錮15年 軍曹 宇治野時参 歩兵第1連隊 24歳
  • 禁錮15年 予備役歩兵上等兵 黒田昶 25歳
  • 禁錮15年 一等兵 黒沢鶴一 歩兵第1連隊 21歳
  • 禁錮15年 綿引正三 22歳
  • 禁錮10年 予備役歩兵少尉 山本又 42歳

事件当時の政界・軍部の首脳等

皇族

  • 秩父宮雍仁親王(大勲位)
  • 高松宮宣仁親王(大勲位海軍中佐)
  • 三笠宮崇仁親王(大勲位)
  • 閑院宮載仁親王 参謀総長(元帥陸軍大将)
  • 伏見宮博恭王 軍令部総長(大勲位)
  • 山階宮武彦王
  • 賀陽宮恒憲王 騎兵第10連隊長(陸軍騎兵中佐)
  • 久邇宮朝融王 軍令部員(大勲位海軍少佐)
  • 多嘉王 (大勲位)
  • 梨本宮守正王 (元帥陸軍大将)
  • 朝香宮鳩彦王 軍事参議官(陸軍中将)
  • 孚彦王
  • 東久邇宮稔彦王
  • 北白川宮永久王 (勲一等陸軍砲兵中尉)
  • 竹田宮恒徳王
  • 閑院宮春仁王 陸軍騎兵学校教官(大勲位陸軍騎兵大尉)

内閣(閣僚)

  • 内閣総理大臣 岡田啓介 1868‐1952
  • 外務大臣 広田弘毅
  • 内務大臣 後藤文夫
  • 大蔵大臣 高橋是清
  • 陸軍大臣 川島義之
  • 海軍大臣 大角岑生
  • 司法大臣 小原直
  • 文部大臣 川崎卓吉
  • 農林大臣 山崎達之輔
  • 商工大臣 町田忠治
  • 逓信大臣 望月圭介
  • 鉄道大臣 内田信也
  • 拓務大臣 児玉秀雄(伯爵)
  • 内閣(その他)
  • 内閣書記官長 白根竹介
  • 法制局長官 大橋八郎
  • 内閣総理大臣秘書官 松尾伝蔵(陸軍大佐)
  • 内閣総理大臣秘書官 迫水久常
  • 内閣総理大臣秘書官 福田耕
  • 内務省
  • 内務大臣 後藤文夫
  • 警視総監 小栗一雄

陸軍

  • 参謀本部
  • 参謀総長 閑院宮載仁親王(元帥陸軍大将)
  • 参謀次長 杉山元
  • 作戦課長 石原莞爾(陸軍歩兵大佐)
  • 陸軍省本省
  • 陸軍大臣 川島義之
  • 陸軍次官 古荘幹郎
  • 軍務局長 今井清 軍事課長 村上啓作(陸軍大佐)
  • 人事局長 後宮淳
  • 兵器局長 多田礼吉
  • 整備局長 山脇正隆
  • 経理局長 平手勘次郎(陸軍主計総監)
  • 医務局長 小泉親彦
  • 法務局長 大山文雄
  • 陸軍の官衙・部隊等
  • 東京警備司令官兼東部防衛司令官 香椎浩平(陸軍中将)
  • 東京警備参謀長兼東部防衛参謀長 安井藤治
  • 近衛師団長 橋本虎之助(陸軍中将)
  • 第1師団長 堀丈夫(陸軍中将)
  • 歩兵第1連隊長 小藤恵(陸軍大佐)
  • 歩兵第3連隊長 渋谷三郎(陸軍大佐)
  • 憲兵司令官 岩佐禄郎

海軍

  • 軍令部総長:伏見宮博恭王(元帥海軍大将)
  • 海軍大臣 大角岑生(海軍大将)
  • 海軍次官 長谷川清(勲一等海軍中将)
  • 軍務局長 豊田副武(海軍中将)
  • 軍需局長 上田宗重(海軍機関中将)
  • 人事局長 小林宗之助
  • 教育局長 住山徳太郎
  • 経理局長 村上春一
  • 軍医局長 高杉新一郎(海軍軍医中将)
  • 法務局長 山田三郎(海軍法務官)
  • 連合艦隊司令長官兼第一艦隊司令長官 高橋三吉(海軍中将)
  • 横須賀鎮守府司令長官 米内光政(海軍中将)
  • 横須賀鎮守府参謀長 井上成美(海軍少将)

政界

  • 貴族院議長 近衛文麿(公爵)
  • 立憲政友会総裁 鈴木喜三郎
  • 立憲民政党総裁 町田忠治

その他

  • 元老 西園寺公望(公爵)
  • 枢密院議長 一木喜徳郎(勲一等男爵)
  • 内大臣 斎藤實(子爵海軍大将)
  • 宮内大臣 湯浅倉平
  • 侍従長 鈴木貫太郎(勲一等海軍大将)
  • 侍従次長 広幡忠隆
  • 侍従武官長 本庄繁(勲一等男爵陸軍大将)
  • 検事総長 光行次郎

関連作品

  • ドキュメンタリーNHK特集「戒厳指令「交信ヲ傍受セヨ」」(1979年、NHK)
  • NHK特集「二・二六事件 消された真実?陸軍軍法会議秘録」(1988年、NHK)
  • その時歴史が動いた「シリーズ二・二六事件」(全二回)(2001年、NHK)
  • 小説叛乱(1952年、立野信之著)
  • 貴族の階段(1959年、武田泰淳著)
  • 憂國(1961年、三島由紀夫著)
  • 英霊の聲(1966年、三島由紀夫著)
  • 蒲生邸事件(1994年 - 1995年、宮部みゆき著)
  • 邪神たちの2・26(1994年、田中文雄著)
  • ねじの回転(2002年、恩田陸著)
  • 鷺と雪(2008年、北村薫著)
  • 戯曲十日の菊(1961年、三島由紀夫著)
  • 貴族の階段(1984年、田中千禾夫著)−武田泰淳の同名作を戯曲化
  • 映画叛乱(1954年、新東宝、監督 佐分利信)
  • 重臣と青年将校 陸海軍流血史(1958年、新東宝、監督 土居通芳) - 別題名『陸海軍流血史 五・一五から二・二六へ』
  • 貴族の階段(1959年、大映、監督 吉村公三郎、脚色 新藤兼人)
  • 二・二六事件 脱出(1962年、東映、監督 小林恒夫)
  • 憂国(1966年、ATG、監督・主演 三島由紀夫)
  • 戦争と人間 第二部 愛と悲しみの山河(1971年、日活、監督 山本薩夫)
  • 戒厳令(1973年、現代映画社・ATG、監督 吉田喜重)
  • 動乱(1980年、東映・シナノ企画、監督 森谷司郎)
  • 226(1989年、フィーチャーフィルムエンタープライズ、監督 五社英雄)
  • 斬殺せよ 切なきもの、それは愛(1990年、サムエンタープライズグループ、監督 須藤久)
  • スパイ・ゾルゲ(2003年、「スパイ・ゾルゲ」製作委員会、監督 篠田正浩)
  • 漫画哀国戦争(原作 小池一夫、画 伊賀和洋 小池書院)
  • 2.26事件 昭和維新(監修 石橋恒喜、脚本 久保田千太郎、作画 貝塚ひろし 宙出版)
  • 龍-RON-(原作 村上もとか 小学館)
  • 二・二六事件 雪降リ止マズ(監修 池田俊彦、作画 折目朋美 双流社)
  • 楽曲日本政変・雪ノサムライ(作詞・作曲・歌 山本正之)
  • アニメ閃光のナイトレイド(TV未放送分)

出典

  • 1.日本歴史めぐり・二・二六事件
  • 2.2・26事件コトバンク
  • 3.a b c d 須山幸雄『二・二六青春群像』
  • 4.須山幸雄『二・二六青春群像』
  • 5.荒木貞夫『荒木貞夫風雲三十年』
  • 6.総務省統計局、 戦前基準国内企業物価指数
  • 7.a b 大谷敬二郎『昭和憲兵史』みすず書房、1979年、pp.211-212.
  • 8.福本亀治『兵に告ぐ』
  • 9.福本亀治『兵に告ぐ』
  • 10.a b 須崎慎一『二・二六事件 ― 青年将校の意識と心理』
  • 11.河野司編『二・二六事件』より
  • 12.a b 筒井清忠『昭和期日本の構造』講談社学術文庫 1996年
  • 13.山口一太郎『時論』1949年7月号「嵐はかくして起きた--二・二六事件の真相」
  • 14.山口一太郎『時論』1949年8月号「嵐のあとさき--2.26事件の起きるまで」
  • 15.a b c d e f g 児島襄 『天皇III』
  • 16.新井勲『日本を震撼させた四日間』
  • 17.a b c d e f g 北博昭『二・二六事件全検証』(朝日新聞社 [朝日選書]、2003年)
  • 18.福本亀治『兵に告ぐ』
  • 19.『文藝春秋』2012年9月特別号、渡辺和子「二・二六事件 憲兵は父を守らなかった」
  • 20.“光風荘”. 観光. 湯河原町観光課 (2011年1月31日). 2013年7月30日閲覧。
  • 21.猪瀬直樹「東条英機処刑の日」(旧書名「ジミーの誕生日」第2章)
  • 22.芦沢紀之『暁の戒厳令』
  • 23.甘露寺受長『背広の天皇』1957年
  • 24.大隈秀夫『昭和は終った』
  • 25.田崎末松『評伝 真崎甚三郎』
  • 26.香椎浩平手記。『秘録二・二六事件』 永田書房, 1980年, p15.
  • 27.本庄繁 『本庄日記』 2005年, 原書房, ISBN 4-562-03949-3, p.272
  • 28.安倍源基 『昭和動乱の真相』 2006年, 中公文庫, ISBN 4-12-204790-0, p.231
  • 29.安倍、前掲書。 p.225
  • 30.a b c d e 田崎末松『評伝 真崎甚三郎』(1977年)芙蓉書房 ISBN 978-4829502235
  • 31.前掲 『本庄日記』、p.275 原文は文語体
  • 32.大谷、前掲書。pp.180-187
  • 33.a b 真崎勝次『文芸春秋』1954年10月号「罠にかかった真崎甚三郎」
  • 34.前掲 『本庄日記』、p.278 原文は文語調表記
  • 35.大久保弘一(元陸軍少佐・陸軍省新聞班員)『兵に告ぐ!』日本週報第434号 昭和33年2月25日発行
  • 36.“「二・二六事件」(1936年2月29日) 中村 茂アナウンサー”. 時代を伝えたアナウンサーの声. NHK アナウンスルーム. 2013年1月30日閲覧。
  • 37.大久保弘一(元陸軍少佐・陸軍省新聞班員)『兵に告ぐ!』日本週報第434号 昭和33年2月25日発行
  • 38.松本清張『昭和史発掘 11』(文藝春秋、1971年)p.329
  • 39.池田俊彦「NHK特集『消された真実』に反論する」『文藝春秋』1988年5月号
  • 40.a b 田々宮英太郎『検索!二・二六事件 - 現代史の虚実に挑む』 雄山閣出版 1993年
  • 41.a b 北博昭「東京陸軍軍法会議検察官匂坂春平の虚実」『日本歴史』NO.516、日本歴史学会、1991年。北の結論について防衛省防衛研究所の山本政雄は「説得力がある」と述べている(「旧陸海軍軍法会議法の意義と司法権の独立 −五・一五及び二・二六事件裁判に見る同法の本質に関する一考察−」 『戦史研究年報 第11号』防衛庁防衛研究所、2008年[1] (PDF) )
  • 42.河野司『ある遺族の二・二六事件』河出書房新社 1982年
  • 43.伊藤隆・北博昭『二・二六事件 判決と証拠』朝日新聞社、1995年
  • 44.池田俊彦『二・二六事件裁判記録 蹶起将校公判廷』原書房、1998年。ISBN 4562030690
  • 45.磯部浅一 『行動記』、河野 司 編 『二・二六事件 ― 獄中手記・遺書』 河出書房新社, 1972年 所収
  • 46.a b 山口富永『二・二六事件の偽史を撃つ』(1990年)国民新聞社
  • 47.筒井清忠『昭和期日本の構造』1996年、講談社学術文庫、p278
  • 48.筒井清忠『昭和期日本の構造』1996年、講談社学術文庫、p262
  • 49.松本清張 (1978). 昭和史発掘(11). 文藝春秋.
  • 50.伊藤隆、北博昭『月刊Asahi』1993年9月号「真崎大将は黒幕ではない」
  • 51.伊藤隆「真崎大将遺書」、広瀬順晧校訂「現世相に関する特別備忘録」『This is 読売』1992年3月号
  • 52.2・26事件介錯人の告白
  • 53.伊藤隆「真崎大将遺書」『This is 読売』1992年3月号
  • 54.岩淵辰雄「軍閥の系譜 8」中央公論1946年9月
  • 55.大久保弘一(元陸軍少佐・陸軍省新聞班員)『兵に告ぐ!』日本週報第434号 昭和33年2月25日発行
  • 56.池田純久『日本の曲り角』
  • 57.『卜部亮吾侍従日記 第一巻』(朝日新聞社、2007年)p.202

参考文献

  • 伊藤隆・北博昭 編 『新訂二・二六事件 判決と証拠』(朝日新聞社、1995年)
  • ※二・二六事件裁判の正式判決書、校訂を加え、初公刊。池田俊彦 編 『二・二六事件裁判記録 蹶起将校公判廷』(原書房、1998年)ISBN 4562030690
  • ※元被告の編者により、公判廷での被告23人への訊問及び被告陳述の全記録を収録。伊藤隆ほか 『二・二六事件とは何だったのか』 (藤原書店, 2007年) ISBN 4894345552
  • 北博昭 『二・二六事件全検証』(朝日新聞社[朝日選書]、2003年) ISBN 4022598212
  • ※「相沢事件判決書」の全文を附録として掲載〔p231〜p271〕と、詳細な「おもな引用・参考文献」表を付載〔p221〜p230〕。磯直道 『二・二六事件 憲兵将校・磯高麿の戒厳令日誌』(朝日新聞出版、2004年) ※牛込憲兵隊分隊長の日誌と資料を息子が読み解く。 
  • 須崎慎一『二・二六事件 ― 青年将校の意識と心理』(吉川弘文館、2003年) ISBN 4642079211
  • 筒井清忠『昭和期日本の構造 ― 二・二六事件とその時代』(講談社学術文庫、1996年/ちくま学芸文庫 2006年) ISBN 4480090177
  • 高橋正衛『昭和の軍閥』 (中公新書/講談社学術文庫 2003年) ※ 著者はみすず書房の編集者として『現代史資料』や編集、末松の著書を担当。
  • 高橋正衛『二・二六事件 ―「昭和維新」の思想と行動』(中公新書、増補版1994年) ISBN 4121900766   ※詳細な「参考文献」一覧表を付載〔p207〜p210〕。
  • 太平洋戦争研究会編 『「2.26事件」がよくわかる本』(PHP文庫 2008年) ISBN 4569669883
  • 太平洋戦争研究会編 『2.26事件の衝撃』(PHP研究所 2010年)ISBN 456977640X
  • 太平洋戦争研究会編 『図説2・26事件』 (河出書房新社[ふくろうの本]、2003年) ISBN 4309760260
  • 平塚柾緒、太平洋戦争研究会編  『二・二六事件』 (河出文庫 2006年) ISBN 430940782X
  • 池田俊彦『生きている二.二六』(文藝春秋 1977年/ちくま文庫 2009年)ISBN 4480425721
  • 末松太平『私の昭和史』(みすず書房、1963年、新版1974年/中公文庫 上下、2013年)、両者は、参加将校による回顧録
  • 末松太平『軍隊と戦後のなかで─「私の昭和史」拾遺』 (大和書房、1980年)
  • 迫水久常『機関銃下の総理官邸 二・二六事件から終戦まで』(恒文社、初版1964年/ ちくま学芸文庫、2011年)、首相秘書官の回想録
  • 岡田貞寛『父と私の二・二六事件 ― 昭和史最大のクーデターの真相』(光人社NF文庫、1998年)
  • 原秀男『二・二六事件軍法会議』(文藝春秋、1995年)
  • 原秀男・澤地久枝・匂坂春平 編 『検察秘録 二・二六事件』(全4巻、角川書店、1989〜1991年)
  • NHK特集取材班『戒厳指令「交信ヲ傍受セヨ」― 二・二六事件秘録』(日本放送出版協会、1980年)
  • 中田整一『盗聴 ― 二・二六事件』(文藝春秋、2007年/文春文庫、2010年) ISBN 4167773430
  •  ※ 『戒厳指令「交信ヲ傍受セヨ」 二・二六事件秘録』の改訂増補版澤地久枝『雪はよごれていた ― 昭和史の謎二・二六事件最後の秘録』(日本放送出版協会、1988年)
  • 工藤美代子『昭和維新の朝 ― 二・二六事件と軍師斎藤瀏』(日本経済新聞出版社 2008年)
  • 前坂俊之『太平洋戦争と新聞』 (講談社学術文庫 2007年) ISBN 9784061598171
  • 秦郁彦『昭和天皇五つの決断』(文春文庫、1994年)
  • 秦郁彦『軍ファシズム運動史』(原書房、増補版1980年)
  • 児島襄 『天皇 III』(文春文庫/新版 ガゼット出版、2007年) 
  • 田崎末松『評伝 真崎甚三郎』(芙蓉書房、1977年)
  • 「大日本帝国憲法下における反乱(二・二六事件)」宮崎繁樹(法律論叢第80巻 2008.2)[2] (PDF)
  • 河野司 『ある遺族の二・二六事件』(河出書房新社、1982年)
  • 田々宮英太郎 『検索!二・二六事件 - 現代史の虚実に挑む』(雄山閣出版、1993年)
  • 田々宮英太郎 『二・二六叛乱』(雄山閣出版、1983年)
  • 田々宮英太郎 『昭和維新 - 二・二六事件と真崎大將』(サイマル出版会、1969年)
  • 濱田政彦 『神々の軍隊―三島由紀夫、あるいは国際金融資本の闇』(三五館、2000年)
  • 松本清張 『昭和史発掘』(文藝春秋、1965年〜1972年)
    • 関連項目

      • ウィキメディア・コモンズには、二・二六事件に関連するカテゴリがあります。
      • 五・一五事件
      • 血盟団事件
      • 神兵隊事件
      • 救国埼玉青年挺身隊事件
      • 三無事件
      • 関電二・二六事件
      • 恋闕
      • 斎藤史
      • 第19回衆議院議員総選挙 - 事件直前の2月20日に投票。岡田内閣の与党だった立憲民政党が第一党となった。

      外部リンク

      • 二・二六事件 / クリック 20世紀
      • “河野司収集文書”. 憲政資料室の所蔵資料. 国立国会図書館 (2012年12月20日). 2013年7月30日閲覧。 - 自決した河野寿大尉の兄が集めた関係資料
      • 表・話・編・歴
      • 二・二六事件
      • 対立
      • 皇道派 荒木貞夫 - 真崎甚三郎 - 小畑敏四郎※
      • 統制派 永田鉄山※ - 東條英機※ - 池田純久 - 片倉衷
      • (※は陸軍からの薩長閥排除を目指した「バーデン=バーデンの密約」参加者)
      • 主な首謀者
      • 野中四郎 - 安藤輝三 - 栗原安秀 - 中橋基明 - 村中孝次 - 磯部浅一 - 北一輝 - 西田税
      • 主な被害者
      • 岡田啓介 - 松尾伝蔵(死亡) - 高橋是清(死亡) - 斎藤實(死亡) - 鈴木貫太郎 - 渡辺錠太郎(死亡) - 牧野伸顕

      関係者

      • 昭和天皇 - 西園寺公望 - 川島義之 - 本庄繁 - 香椎浩平 - 山下奉文 - 広田弘毅
      • 関連項目 陸軍士官学校事件 - 相沢事件 - 軍部大臣現役武官制 - 昭和維新 - 五・一五事件
      • カテゴリ: 二・二六事件
      • 昭和維新
      • 大日本帝国陸軍
      • 昭和時代戦前の事件
      • 日本のテロ事件
      • 日本の右翼の事件
      • 農本主義
      • クーデター
      • 日本の公安
      • 警察官が殉職した事件・事故
      • 1936年の日本

ページのトップへ戻る